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てぃくる 1025 暗ければ暗いでなんとかなる [てぃくる]


 世の中が暗いと文句を言うやつがいる。
 文句を言う暇があるなら、自力で明るくすりゃあいいと思うんだが。
 文句を言うやつほど、暗いところから出てこようとしない。


asn.jpg

(アスナロ)




 アスナロは耐陰性の高い針葉樹です。成長はゆっくりですが、樹体形成の柔軟性が高く、あっちゃこっちゃに枝を広げながらゆっくりと高くなっていきます。暗いところでずっと我慢するつもりはさらさらなく、暗いとへたってしまう陽キャの樹木を足蹴にしながら、最終的には高木になるのです。

 アスナロの語源には諸説あって、「明日はヒノキになろう」に由来しているとよく言われていますが、俗説に過ぎないと否定する研究者も多いのです。わたしも、ヒノキの下位互換という見方は嫌いなんですよね。だって、アスナロの特性はヒノキとまるっきり違いますから。
 ヒノキよりも暗い環境に耐え、ヒノキよりも湿った場所を好み、積雪地に適応した更新、樹体形成を行います。もちろん、分類上もヒノキとは異なる属に位置します。

 アスナロというより、原産地で称されるようにヒバと呼んだ方がいいような……。

◇ ◇ ◇

 自分は環境に恵まれていない。
 そう思うことは珍しくありません。

 じゃあ、どうするか。なんですよね。
 我慢して好転を待つ。好環境の場所に移る。
 どちらもありでしょう。

 でも、環境に合わせて自らを変えてしまう……そういう方法もあるんだなと。真っ暗なアスナロの樹下で、しみじみ思ったりします。





  木暮でも今なほ光る玻璃の星






まっくら森の歌 by 谷山浩子




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てぃくる 1024 同じ方向 [てぃくる]


「みんな同じ方向に向かってるな」
「よくない傾向だ」

「たまには違う方向に向くことも大事だと思うのだが」
「俺もそう思う」

「じゃあ、違う方向に向いてくれ」
「何を言う。言い出しっぺの法則を知らんのか」

「法則? そもそもそれが同じ方向に向かせるための方便だろうが」
「む。それもそうだな。だが、俺は様子を見る」

「……もしかして。みんな、同じ方向に向いているというのは錯覚か?」
「さあ。考えたことないし」




conv.jpg

(コンボルブルス)



(^^;;





 まあ、実際にはみんなあっちゃこっちゃ好きな方向に向いてるんですよ。世の中の流れだと言って同じ方向に見せようとするロクデナシがいるだけの話です。

 わたしですか? 根っからのへそ曲がりですから。そもそもどっかに向くということ自体が大嫌いです。へらへら。





  向日葵を切って逆向きに活ける






Opposite Sides by Rosendale



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てぃくる 1023 白の呟き [てぃくる]


日差しがないから 薄汚れているわけではない

影を背負っているから うらぶれているわけではない

雨に打たれているから くたびれているわけではない

咲く場所が悪いから 見捨てられているわけではない


kct.jpg



わたしは

定められた時に

与えられた場所で

いつものように咲く


わたしを惨めに貶めているのは

ただ貴方だけだ


◇ ◇ ◇



 雨に打たれている夾竹桃の白い花。
 青空がバックにあると最高に映えるんですけどね。

 ただ、いつどのように咲いても花は花です。
 もし彼らが嘆いていたとしても。

「雨だと虫が来てくれへんなあ」

 きっと、それだけでしょう。






  梅雨闇に花殻一つ馴染みゐる







Walking In The Rain by Flash & The Pan

 懐かしいところで。




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てぃくる 1022 小出しにできない [てぃくる]


「ここんとこ、てんこの髪ぃ薄なってきててん」
「せやな。カッパまっしぐらちゅうか」

「ほっとけ。ほんでもって、こらあヤバい思て、毛生え薬買うてん。めっちゃ効くぅ言うて、はやっとるやつ」
「効いたん?」

「確かにめっちゃ効いた。せやけど」



sot.jpg
(ソテツの新芽)



いきなりこれはないわなあ


(^^;;




 全く効かないよりは、ばっちり効く方がずっといいんですが。
 過ぎたるは及ばざるがごとし、なんですよねえ。
 効果を小出しにできないのは、結構イタいです。

 もっとも。
 植物が新芽を伸ばすなら、小出しでなくても大いに結構。
 元気があってよろしい!





  虫除けスプレーを吹き掛けたら
   「香水を変えましたね」と言われた





So Much by Kiki Vivi Lily



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てぃくる 1021 米を研ぐ [てぃくる]


「なに? 米を研いだことないって?」
「ない」

「炊く前に研ぐってとこまでは調べたわけね」
「ううん。だから砥石が要るのかなあと思って買った」

「食べるとこなくなったでしょ」
「上新粉になった」

「砥の粉混じりの団子なんか食べたくないって」
「うー」

「で、次は洗剤入れて洗ったわけね」
「うん。きれいになるかと思って」

「まあ、きれいにはなるけど。ご飯が洗剤味になったでしょ」
「……」

「そいで、お母さんにやり方聞いたわけね」
「うん。心を込めてしっかり研げって」

「心を込めただけで研がなかったと」
「ついでに水入れるのも忘れた」

「炊飯器ごとぱーにしたわけだ」
「そ。ご飯食べさしてー」



ntn.jpg



心がしっかり研がれるまで 外で雨に当たってろ!



(^^;;






 今は精米技術が上がって、米に残っている糠がとても少なくなりました。親の仇とばかりにぎゅうぎゅう米を研ぐ必要はなくなっていると思います。そうは言っても、上の子の場合は、研ぐ研がない以前のレベルなわけで。
 これが、決して冗談じゃないんですよね。研がずに炊いちゃうのなんかまだましで。なんかいろいろやらかして、とんでもない炊き上がりにしてしまった話をよく聞きます。(^^;;

 コメの消費量云々以前に、素材を調理するためには下拵えがいるという基本の『き』を知らないっていうのは、自活者としてどうなのかなあと思うんですけどね。

 あ、画像のはコメではありません。
 ナンテンの花。ちょうど梅雨時期に開花するので、あえて研ぐ必要はなさそうです。(笑





  南天花 雨の嫉妬で揺らされる






Wash by Bon Iver




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てぃくる 1020 濡れそぼる [てぃくる]


 神様に捧げられるものをこんなに濡らしていいのか?
 花を雨で叩かれて憤慨していたら、神様に言われた。



skk.jpg


 雨の神様もおるんや。
 しゃあないやろ。


◇ ◇ ◇


 というわけで。
 運悪く雨に当たってしまったサカキの花。
 ツバキの仲間ですから、花がそこはかとなくツバキっぽいですね。花のあとで、時間をかけて黒く丸い果実を実らせますが、その頃にはなんの木だかわからなくなっています。
 神事に使われる木ながら、特にこれと言った特徴がないんですよね……。





  神宿る榊の花はただ寂し






Here's That Rainy Day by Stan Getz & Joao Gilberto




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てぃくる 1019 努力はしてみるけど [てぃくる]


 丈夫で管理が楽だということで、公園や緑地帯によく植えられるアツバキミガヨラン
 ランとついていますが、もちろんランの仲間ではありません。キジカクシ科(旧ユリ科から分家。アスパラガスなどと同じ仲間です)で、原産地は北米。朴もの観葉植物でおなじみのユッカの一種です。

 一度花を咲かせると枯れてしまうリュウゼツランなどと違って、アツバキミガヨランはほぼ毎年花を咲かせます。花自体は白系の地味な色目なのですが、なにせ花穂がでかい。ものすごーく目立ちます。画像はそのアップです。



akm.jpg


 一つ一つの花がでかいので、これで結実したらえらいことになるだろうなあと思うんですが、結実したのを見たことがありません。
 それもそのはず。アツバキミガヨランの花の受粉はユッカガという特殊な蛾が担っていて、その蛾がいない日本ではどんなにがんばっても結実しないのです。実らないから花を咲かせない……という芸当はできないわけで。

 一応努力はしてみるけど……ということなのでしょう。(^^;;

 ちなみに、アツバキミガヨランの名付けには牧野富太郎博士のちょんぼが絡んでいます。興味を持たれた方は、調べてみてください。(^^)/




  白百合や宦官となりて俯く






Sterile by Canaan




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てぃくる 1018 ひも [てぃくる]


 ひものようだと言われたが、ヒモほどまめじゃない。

 ひものようだと言われたが、ヒモだとすれば臭すぎる。

 ひものようだと言われたが、ヒモの俺の方が女より目立っている。

 ひものようだと言われたが、用済みになればヒモを強制卒業だ。



kur.jpg


 で。
 なんで俺をこんな小さな花壇に植えるかな。
 臭いわ、でかくなるわ、ちくちくをばらまくわ、だぞ?
 周りから嫌がられるだろうに。

 俺はヒモを満喫できるからいいけどよ。



◇ ◇ ◇



 本来大きくなる木なんです。どんなにコンパクトに仕立てても、いずれ手に負えなくなるわけで。家の真横のポケット花壇に植えるのはあまりに無謀だと思うんですけどねえ……。

 つーことで、君がなぜここに? ……のクリなのでした。(^^;;




  曇天に欲を連れ込む栗の花






Chestnut Mare by The Byrds




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てぃくる 1017 見た目に騙されてはいけない [てぃくる]


ねえ
よく熟してるでしょ?
おいしそうでしょ?
食べて食べて!


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どあほう!
こんな酸っぱいのが食えるかあっ!





 まあ、そうですよね。
 本当に熟しているのなら、鳥が放っておくはずがありません。
 クワの実は白、オレンジ色、赤、紫黒色と、熟す過程でどんどん色が濃くなっていきます。服についた色が取れないくらい濃くならないと、おいしくないよー。(^m^)

 んでもって、画像のクワは野良クワです。
 鳥がせっせせっせと実を食べて種子をばらまくので、のべつまくなしに生えてくるんです。養蚕を支える大事な作物だったはずが、今や厄介者扱いになってるのはちと悲しいですね。

 実が食用になるだけでなく、葉はお茶にできますし、樹皮は染料や繊維源として使えます。できるだけ有効利用したいものです。





  桑実期過ぎて胎児が人になる






Mr. Immature by Stef Lang



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