てぃくる 1045 夏の翼 [てぃくる]
わたしたちは 夏には飛べない
翼はあっても 夏には使えないんだ
それでも
わたしたちを見て みんな口々に言うんだ
翼があるなら 飛べばいいのにって
だから わたしたちは言い返す
ねえ あなたたちには翼がないよね
翼がないくせに 無責任なことを言わないで!
イヌシデは果穂に苞が発達し、翼のように見えます。苞の根元に種子があり、秋に種子が熟すと苞が風を受けて種子を遠くに運びます。まだ果軸から苞が外れない夏の間は、翼はあっても使われないということですね。
◇ ◇ ◇
能力があるのに、なぜそれを使わないの?
よく言われるフレーズですが、薬にならずに毒と化すことも多いように思います。
能力や才能というものは、発掘し、訓練し、使いこなすところまで一式整えて、初めて機能するものだからです。指導者を要することもあれば、活かす環境に恵まれないこともあります。本人の気づきや努力だけではいかんともしがたいというケースも多いのです。
確かに翼は誰でも備えているのでしょう。ですが、その翼の使い方は本人にしかわかりませんし、本人にしか意味がありません。
翼があるのにと無責任に言い放つ前に、まず己の翼を点検した方がいいのかなと。つい、思ったりします。
才を活かせず
才に食われることもあるのだ
Surrender by Billy Talent
てぃくる 1044 修羅場? [てぃくる]
一方的におまえに殴られて、青あざこさえてるのは父ちゃんなんだが。
(^^;;
(^^;;
倒れてるのも父ちゃんだけですね。(^m^)
もちろん、ハンザイの匂いなぞかけらもありません。
このキノコはコウジタケ。
傘が赤く、傷つくとその部分が青く変わり、麹のような甘い匂いがする……というわかりやすい特徴を持っています。
イグチの仲間としては比較的ポピュラーで、身近なところにぽこぽこ発生するんですが、派手な色合いが気味悪がられるせいか、ほとんど無視されてますね。(^^;;
イグチ類の中では味のいい部類に入るので、もうちょい利用されてもいいのになあと思います。
赤帽も赤子もどんどん減っている
Turn It Up by Simply Red
てぃくる 1043 ごみちゃうで [てぃくる]
(^^;;
いや、実際のところ、シオカラトンボっておしゃれさんだと思うんですよ。黄色、黒、赤が基調色のトンボが多い中で、淡い青(水色)がトレードマークというのはとてもユニークです。男の子限定ですけどね。(^_-)☆
ところが。おしゃれさんのシオカラトンボなのに、なぜか着陸する場所が枯れ草だらけのごしゃごしゃ小汚い場所が多いんです。
飛翔力の優れたトンボは、空中では天敵の攻撃を自力で回避できるのでしょう。でも、地上に留まっている間はどうしても無防備になります。おしゃれさんの水色も、地上の枯れ草に紛れれば違和感なく溶け込んでしまうんですよね。黄色と黒が基調色のメスはもっと見分けにくいでしょう。見事な保護色だなあと思います。
ただ……ごしゃごしゃの枯れ草と一体化していますから、ゴミ扱いされても仕方ないかと。(笑
赤蜻蛉 吊るしているのか掲げているのか
Dragonfly by Nahko
てぃくる 1042 スイカのふりをする [てぃくる]
「俺はスイカだ」
「無理があるって。黒いしましまがないし」
「いや、俺はスイカだ」
「だあかあらあ、あんたみたいなチビがスイカ名乗ってどうすんだよ。無理だって」
「どうしても俺はスイカだ!」
「中身がタネしかないのに、どこがスイカなんだ?」
「頼むよ……俺はスイカなんだ」
「そこまでしてスイカのふりをする意味がどこにあんの?」
スイカのふりをしないと食われちまうんだよ
いや、スイカだって食われるんですけど。(^^;;
ということで、どう見てもスイカではありませんし、スイカにもなれません。
これは、カヤの実。
中の種子は炒って食べることができますが、渋を抜くのが結構大変です。(^^;;
柘植駒に榧の盤やと祖父の盆
The Watermelon Song by Poi Dog Pondering
てぃくる 1041 競争しなくていい! [てぃくる]
「コンテスト?」
「そう。一番を決めるの」
「美人の?」
「そんなのありふれてるじゃん」
「スポーツ系?」
「それはコンテストじゃなくて、大会」
「だよねー。じゃあ、芸もの?」
「芸じゃ、優勝してもなかなか生き残れないわ」
「確かにねー。ハクはつくけど、売れるには運も必要だし」
「でしょ? もっと確実に生き残れる素質を競うの」
「うーん……何を比べるっての?」
「そりゃあもちろん」
ヘクソカズラ
気の毒な名前ですが、糞尿に含まれるメチルメルカプタンという成分を本当に含んでいるそうで。それをしっかり嗅ぎ分けた先人の嗅覚に驚きます。
ちなみに。草が傷つかないと臭いません。ですので、草むしりの時に酷い目に遭うわけですね。(^^;;
花や実はきれいなんだけどなあ……。
誰からも無視されるよりは
誰かから嫌われる方がましだ
Stinkfoot by Frank Zappa
てぃくる 1040 新盆に寄せて [てぃくる]
咋冬に母が世を去り、初めてのお盆を迎えました。
近々納骨式を執り行います。遺品整理も含め、心の整理が一区切りということになるのでしょう。
お盆と言っても、仏教徒ではない私は特段何もいたしません。
そういや母はピンクのものが好きだったなあと、ベランダの花ものをぼんやり眺めながら生前のことを思い返しています。
『追憶』
山が好きだった母は
今頃山に登っているだろうか
旅が好きだった母は
今頃宿で寛いでいるだろうか
花が好きだった母は
今頃花畑を堪能しているだろうか
写真を撮るのが好きだった母は
今頃シャッターを押しまくっているだろうか
甘いものに目がなかった母は
今頃血糖値を気にせず食べまくっているだろうか
高校野球が好きだった母は
今頃テレビの前で声を枯らしているだろうか
キティラーだった母は
今頃リアルキティとハグしまくっているだろうか
韓ドラが好きだった母は
今頃「次は何を観よう」と迷っているだろうか
おしゃべりが好きだった母は
今頃誰としゃべり倒しているだろうか
穏やかに生きた母は
穏やかに生きようとしていたから
穏やかに見えたのだろう
しかし
母の歩んできた道が決して平坦でなかったことは
誰もがよくわかっている
だからこそ
旅立った母が彼の地にあってまで己を折ることなく
世界そのものがただ穏やかであれかしと心から願う
心から
そう願う
山が好きだった母は
今頃山に登っているだろうか
旅が好きだった母は
今頃宿で寛いでいるだろうか
花が好きだった母は
今頃花畑を堪能しているだろうか
写真を撮るのが好きだった母は
今頃シャッターを押しまくっているだろうか
甘いものに目がなかった母は
今頃血糖値を気にせず食べまくっているだろうか
高校野球が好きだった母は
今頃テレビの前で声を枯らしているだろうか
キティラーだった母は
今頃リアルキティとハグしまくっているだろうか
韓ドラが好きだった母は
今頃「次は何を観よう」と迷っているだろうか
おしゃべりが好きだった母は
今頃誰としゃべり倒しているだろうか
穏やかに生きた母は
穏やかに生きようとしていたから
穏やかに見えたのだろう
しかし
母の歩んできた道が決して平坦でなかったことは
誰もがよくわかっている
だからこそ
旅立った母が彼の地にあってまで己を折ることなく
世界そのものがただ穏やかであれかしと心から願う
心から
そう願う
盆菓子と今朝見た夢が同じ色
Memory of Mother by 佐藤賢太郎
てぃくる 1039 見つけてもらえない [てぃくる]
「目立たないってのは損だな……」
「ほ? どうした?」
「いや、仲間の中でも俺は飛び抜けて地味でよ」
「まあな。背は低い、色は汚い、ごみをかぶってる」
「そこまで言うか!」
「てか、おまえが自分で自虐ったんだろが」
「うう、闇堕ちしそうだ」
「何言ってんだか。ほっといても真っ黒けになるだろ」
ということで。クロハツです。
名前の通り黒いんですが、真っ黒というより煤けた見た目になります。なので、目立ちません。踏んづけてから、ありゃあんたそこにいたのっていう感じ。
でもね。『黒』とついているのは伊達ではなく、傷ついたところが真っ黒に変色します。かーなり不気味です。
一応、食べられるということになっていますが、生の状態では有毒ですし、近縁種に致死性の猛毒を持つニセクロハツっていう死神がいますので、見るだけにしときましょう。
わたしは食ったことがありますが、正直言って。
まずいです
炭で濁った黒いアイスを食べてみる
どんな味だかよくわからない
Blackout by Muse
てぃくる 1038 薮に入る [てぃくる]
てぃくる 1037 ちぎり絵 [てぃくる]
白、ピンク、赤と濃淡様々なサルスベリがありますが、わたしは赤が好きです。
夏の暑さを象徴しながらも、ふわふわと柔らかい。
どれほど熱くても全ては灼き尽くせないんだよと、夏をなだめるようにふわりと咲き溢れる姿に、生命の柔らかさを感じます。
さて。
熱中症にならないよう、歩みを早めることにしましょう。
あなたはゆっくり咲いてていいからね。
ちぎり絵を足して引いてと百日紅
Thread by Keane
てぃくる 1036 見かけによらない [てぃくる]
「ふむ。清楚な感じのお嬢さんじゃないか。色も白いし、スタイルもいい。ちょっと下膨れな感じはするが」
「ええ……見てくれはいいんですよ」
「中身は違うのか?」
「とんでもない毒女です」
テングタケの仲間は有毒なものが多いんですが、中でも代表格は致死的な毒キノコのタマゴテングタケとドクツルタケ。逆に言えば、それ以外のものは毒があってもそこそこだろと甘く見られていたきらいがありました。でも、猛毒種が持っているアマトキシン系の毒は、他の類縁種にも含まれているんですよね。
今回お見せしたきのこはフクロツルタケもしくはその類縁種なんですが、いずれも猛毒の可能性大。こやつらは比較的身近なところによく発生し、株元の袋を見落とすとハラタケ類と誤認することもあるので注意が必要です。
画像を撮った場所ではドクカラカサタケやナカグロモリノカサも発生するんですが……。
みんな毒女ばかりですね。(^^;;
毒を仰ぐが如く 麦酒の大盃干す
Deadly Nightshade by Brand X