てぃくる 1016 スリム [てぃくる]
てぃくる 1015 加害者と被害者 [てぃくる]
(ナラガシワの葉群)
切った鋸なら加害者で、切られた木材なら被害者
明るいやつは加害者で、暗いやつが被害者
上にいる連中が加害者で、下敷きになってるのが被害者
エッジが立ったやつが加害者で、エッジの丸いやつは被害者
無傷なやつが加害者で、虫に食われたやつは被害者
鮮明なやつが加害者で、ぼけてるやつが被害者
………………
「だんだん理屈がわからなくなってきたが」
「実際のところ、加害と被害の間にはそれくらいの差しかないということだよ」
「ふうん。じゃあ俺が加害者で、あんたが被害者ってことでいいんだな?」
「その逆もまた真なりだ」
ぶちっ!
◇ ◇ ◇
加害者になったのは本来恥ずべきことだが、なぜか加害者は誇らしげだ。
被害者になったことは、誇らしくはないにしても、恥ずべきことでもない。
そんな有様だから、加害者がのうのうと被害者面をするのだ。
この恥知らずめ!
梅雨寒や防犯看板濡れそぼる
Both Sides Now by Jackie Evancho
てぃくる 1014 赤ずきんを探せ [てぃくる]
てぃくる 1013 雪のように白く [てぃくる]
「ただ白いのはいやなんだよ。雪のように白くなりたいんだ」
「ほう? 白いものは他にもいろいろあるのに。わざわざ雪か。何か理由があるのか?」
「白さを失うと同時に、色自体も失うだろ? その潔さが好きなんだ」
「そう見えるのはわかるが、実際は違う」
「え?」
「雪ってのはど真ん中に塵の核がある。それを起点に発達するんだよ。つまり融けても塵の色は残るのさ。ごく淡いから気づかないだけだ」
「知らなかった……」
「塵の色から解き放たれて白くなり、融ければ塵の色に戻る。自然でいいと思うがな」
満開のイボタの花は、どこまでも白く見える。まるで木に淡雪が降りかかったような白は、徐々にたくましくなる緑との対比がとても美しい。
だが雪とは違い、花が白く見えるのはほんのわずかな間だ。そのあとは茶色くくたれて見苦しくなる。だからと言って、他の色に咲くことはできない。
いいではないか。ほんのひとときであっても、雪の如く咲き乱れる様を誇るがいい。その時以外は、それがなんの木であるかさえ意識されないのだから。
台木のイボタが今年も咲き匂う
How Was It for You by Snowy White
ちょっといっぷく その224 [付記]
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
本編休止中です。いろいろあってテンションが下がっており、今回の休止は長引きそう。とほほ……。
◇ ◇ ◇
考えたくはないんですが、やっぱりトシですねえ。久しぶりにでっかいぎっくり腰をやらかしました。ヘルニアなどのより深刻な症状でなかったのは幸いですがまともに動けず、連休はまるまる自宅静養でした。
夫婦ってのはそういう時にシンクロするのか、家内は口内炎の悪化でまともに飲み食いできず、こちらも連休中はおかゆと静養もーど。
なんだかなあ……。
◇ ◇ ◇
別館の長編はしばらく塩漬け状態なんですが、本館では昨秋の『レンタル屋の天使』シリーズ第二弾『ファイブ・デイズ・グレイス』に続いて、シリーズ第三弾の『桜と幽霊』を脱稿させました。
ちょうど連載が終わったところなので、よろしければ読んでみてください。わたしが書くんですから、もちろん直球の話ではありませぬ。ええ。
本館とカクヨムで同時アップしていますが、カクヨムの方にリンクを張っておきますね。
本編休止中です。いろいろあってテンションが下がっており、今回の休止は長引きそう。とほほ……。
◇ ◇ ◇
考えたくはないんですが、やっぱりトシですねえ。久しぶりにでっかいぎっくり腰をやらかしました。ヘルニアなどのより深刻な症状でなかったのは幸いですがまともに動けず、連休はまるまる自宅静養でした。
夫婦ってのはそういう時にシンクロするのか、家内は口内炎の悪化でまともに飲み食いできず、こちらも連休中はおかゆと静養もーど。
なんだかなあ……。
◇ ◇ ◇
別館の長編はしばらく塩漬け状態なんですが、本館では昨秋の『レンタル屋の天使』シリーズ第二弾『ファイブ・デイズ・グレイス』に続いて、シリーズ第三弾の『桜と幽霊』を脱稿させました。
ちょうど連載が終わったところなので、よろしければ読んでみてください。わたしが書くんですから、もちろん直球の話ではありませぬ。ええ。
本館とカクヨムで同時アップしていますが、カクヨムの方にリンクを張っておきますね。
◇ ◇ ◇
あと、本館ブログのバックアップをぼつぼつ取っています。ソネブロと違い、アメブロはブログの書き出しができません。スパマー対策兼自社囲い込み目的だと思いますが、非常に不便です。
全記事をバックアップする気はないんですが、主要なものは記事を書き出し、保存してあります。
生活記録よりも創作目的なので、だいたい残っていればいいかなというゆるーいバックアップです。
◇ ◇ ◇
別館のてぃくるをnoteに移動中ですが、800話台後半まで来ました。もう少し移動させて一段落、かな。
note移植分のてぃくるは、こちらでご覧いただけます。
note:マガジン『てぃくる』
◇ ◇ ◇
定番化させるつもりでコマーシャル。
アメブロの本館で十年以上にわたって書き続けて来た掌編シリーズ『えとわ』を電子書籍にして、アマゾンで公開しました。第1集だけ300円。残りは一集400円です。最新作は第26、27集です。第28集も今年前半に出版する予定です。
kindke unlimitedを契約されている方は、全集無料でご覧いただけます。
◇ ◇ ◇
さて、このあと少なくとも六月いっぱいまではてぃくるでしのぎます。ご容赦ください。
ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽にコメントしてくださいませ。
でわでわ。(^^)/
「知らんけどってのが流行語になったそうだな」
「へえー、そうなの? 知らんけど」
「知ってないとまずいんちゃうの? 知らんけど」
「俺たちもともとシランだから。知らんけど」
(^^;;
てぃくる 1012 星の中に星を探す [てぃくる]
てぃくる 1011 もくもく [てぃくる]
満開になったんだけど
これっぽっちも美しくない
満開になったんだけど
ちっとも褒めてもらえない
満開になったんだけど
友だちが誰も遊びにこない
満開になったんだけど
不気味だとしか思われない
ないないないない
否定型ばかりでがっかりする
もくもくしてたって
いいじゃないか
開き直ってもう一度
もくもくしようと思ったのに
あえなく散ってしまって
どこにももうないないない
◇ ◇ ◇
シラカシの雄花が、これでもかともくもくしています。
ここまで狂ったように咲かなくてもいいと思うんですが。
まあ……毎年のことですので。
ちなみに。
シラカシやアラカシにはあまり年による豊凶の差がありません。
毎年雄花がこれくらい大量に咲くので、秋に落ちるどんぐりも膨大になります。食べられればいいんですけどねえ……。渋が半端ないからなあ。
升で計るほど散り敷いてなお樫の花
One Too Many by Fletcher
てぃくる 1010 一緒にすんな! [てぃくる]
俺はコデマリの親戚じゃねえ! 一緒にすんな!
俺はアジサイの仲間じゃねえ! 一緒にすんな!
俺はアジサイの仲間じゃねえ! 一緒にすんな!
なんか、ぶりぶり怒ってるやつがいますが。
気持ちはよーくわかります。(^^;;
オオデマリとコデマリ。前者はガマズミの仲間で、後者はバラ科ですから、まるっきり縁戚関係がございません。花も葉もこれでもかと違うんですが……。紛らわしい名前をつけるもんです。
オオデマリの花の見てくれは、確かにアジサイににていますが、アジサイはアジサイ科ですので、こちらも分類上まるっきり別物です。
まあ、それでもオオデマリはましな方です。
なんちゃらジャスミンと呼ばれるものは完全に無法状態ですし、なんちゃらランという名のものに至っては、ランどころかシダまで放りこんでますからねえ……。
牧野富太郎博士も頭を抱えていることでしょう。
名前は、ちゃんと考えてつけてほしいなあ。
なんじゃもんじゃの木は一種類ではない
Never Be The Same by Red
てぃくる 1009 亀の論争 [てぃくる]
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずって言ったのは福沢諭吉だったっけ」
「だけど、あいつは人権しか考えていない。俺たち亀の権利はどうなるんだ!」
「人は俺たち亀の上に地球を乗っけて平然としてる。許せん」
「それ、プトレマイオスの頃の話だろ。今は俺たちが地球の上に乗ってる。心配するな」
「あほう! だからって俺の上に乗るなあああっ!」
「けっけっけ。俺たちには人権はない。だから誰の上に乗っても平気なのさ」
……というような、芋洗いならぬ亀洗い状態の池の岩場なのでした。
まあ、亀見るよりもキショウブ見た方が目の保養になるけどね。くす。
菖蒲湯が嫌われ銭湯に行くはめに
Gesceap by Tortoise