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母を見送る [祈り]


野の花のように 生き


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野の花のように 逝く




 母の旅立ちを見送ってきました。
 いつも笑顔を絶やさず、最後まで周囲の人たちを和ませていた母。入院していた病院でもアイドルだったようです。

 点滴が打てなくなってから普通は数日内に息を引き取るのだそうですが、なんと二十日間も生命の灯を燃やし続け、『いい夫婦の日』に、父さんを長いこと待たせたからそろそろ行くわとでも言うかのように静かに旅立ちました。

 葬儀の日。母が部屋で育てていたハイビスカスが一つ花を開き、これから行く道を示すように大きな虹が曇り空を彩りました。妹が「最後までロマンチックなお母さんだったね」とぽつり。

 熱烈なキティラーでかわいいものや明るい色彩のものを好んだ母でしたが、わたしには母がいつも野の花に見えていました。
 在るところで精一杯咲く花。咲こうとする努力は最後まで欠かさないけれど、必要以上に大きく派手に咲こうとはしない。それが母だったかなあと。

 しみじみと生前の姿を思い返しつつ、旅立った母に野の花を手向けることにいたします。



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  旅に出(いで)し母導くや 冬の虹









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手向け [祈り]

東日本大震災の発生から一年。
復興支援にわたしが何か寄与出来たわけではありません。

ささやかな募金を何度かさせていただいただけで、お役に
はたっていないかなあと思います。

それでも、憶えていること。
祈ることはできるでしょう。
ですからそれを……。

ここにも残しておこうと思います。
本館にあげたものと同じです。

ささやかながら、精一杯の祈りをこめて。





あらがみよ しずまりたまへ
われわれは おろかなれども
まだ まへをむかむ

あらがみよ しずまりたまへ
われわれは めしひていても
まだ ひかりさがさむ

あらがみよ しずまりたまへ
われわれは てあしなへても
まだ くずおれぬ

あらがみよ しずまりたまへ
われわれは なみだかれても
まだ おもひはかれぬ

あらがみよ しずまりたまへ
われわれは ちさきものなれど
まだ まもるものあり 

まだ まもるものあり




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