てぃくる 1073 擬態 [てぃくる]
「俺ら、鹿のうんちに化けてるけど、なんで?」
「さあ。誰か知ってる?」
「知らーん」
「じゃあ、成り済ます意味ないやん!」
「まあねー。じゃあ、変装やめるかー」
「んだねー」
「って、どうやってやめるんだ?」
「さあ。誰か知ってる?」
「知らーん」
以下、延々と繰り返し。(笑
◇ ◇ ◇
擬態。何かに成り済まして危険を避けたり、チャンスを増やしたりすること。アブやガがハチに擬態しているのはよく知られています。毒のある生物に似せる、とかもよくあります。
ただ、擬態がどこまで有効かはケースバイケース。
有毒なオオアブラギリの実が鹿のうんちに化けたところで、あまり意味はないかなあと。せいぜい、わたしのバカ話のネタにされるくらいで。(^m^)
オオアブラギリの実の中には大きな種子が入っていて、種子から絞った乾性油(桐油)は塗装剤などに用いられます。画像のように果皮が黒く腐らないと中身が取り出しにくいので、見てくれが悪い画像の状態が収穫適期。うんちに化けても、わたしは騙されませんからね。(笑
串刺しの林檎腐らず乾き切る
ミミック by ReoNa
てぃくる 1072 えらいこっちゃ! [てぃくる]
「えらいこっちゃ!」
「どうしたんですか? 和尚さん」
「重文に釘でイタズラ書きされた!」
「そりゃあ大変だ! 警察呼ばなきゃ!」
「い、いや。いい」
「どうしてですか? 重文の損傷は国家の損失ですよ!」
「重文の意味が違う」
「は?」
「俺の文章、重すぎてな。いたずらに長いし。なんとかせいって釘刺されたんや」
(^^;;
こんなキモい重文があるもんかい。(笑
てか、これは珍しいものではなく、木材を腐らせる背着性のきのこ。カワタケの仲間かなあ。
きのこは、シイタケのような傘、茎のあるものばかりではありません。こういう、木に張り付くタイプのものもごく普通に見られます。意外に種類が多いので、探してみてください。(^^)
書き出しの漢字を忘れ また明日
The Writing's On the Wall by OK Go
てぃくる 1071 錦 [てぃくる]
「故郷に錦を飾るというだろう?」
「ああ」
「俺たちは錦を飾れているかな」
「ばっちりだ。だが」
「だが?」
「故郷に同化すると、俺たちは錦を失ってしまう」
「それは仕方ないよ。また来年努力するさ」
「……ああ。そうだな」
色づいたなあと思ったら、一斉に散り敷いてしまったトウカエデの紅葉。枝にはもうほとんど葉が残っていません。もうちょい風情を楽しませてくれてもいいのになと思うものの、こればかりは……ね。
散り敷いた錦もほんの数日でどんどん色褪せ、すぐ褐色になってしまいます。まあ……落葉の下の生物たちは、一々紅葉狩りなどしますまい。落葉が朽ちて痩せてしまうまで、錦の布団を恵みと捉えることでしょう。
ああ、どこも最後の一葉だらけだ
Leaves by Ben & Ben
てぃくる 1070 薬になる [てぃくる]
「鹿の角って、薬になるんだっけ」
「なるよ」
「じゃあ、落ちてるやつ拾ってこよっと」
「ああ、あの枝分かれしてるやつは鹿角って言って、鹿茸とは別物だからね」
「ろくじょう?」
「袋角ってとこなの。まだ固くなる前のやつ」
「ふうん。じゃあ、これは使えるのかな」
「え? 今頃袋角?」
それは違う!
(^^;;
(^^;;
こんな不気味な袋角があったら大変です。(笑
でも、この妙ちきりんなものも実は薬になるんですよ。生薬名は五倍子(ごばいし)。ヌルデの新芽にアブラムシがとっついてできる虫こぶで、大量のタンニンを含みます。木についている緑のものより、褐変して地面に落ちたものの方が薬効が高いようです。
ちなみに五倍子は古来から染色や皮なめしなどに広く使われており、お歯黒の染め付けにもこやつを使います。黒を出すには五倍子よりもクヌギのどんぐりの実や殻(つるばみ)の方がいいみたいですけどね。
五倍子(ふし)拾う 膨るるものに形なし
Medicine Man by Bobby McFerrin
てぃくる 1069 それは違う [てぃくる]
「おい、どうした? 浮かない顔じゃないか」
「ああ。ちょっと酷い目にあってな」
「酷い目?」
「そう。思い込みの激しいやつが俺のところに来てよ」
「ふむふむ」
「全力でちぎっていったんだ」
「いきなりか」
「そう。菊花の契りっていう有名な小説があるらしいが、それにあやかりたいってな」
「ちぎり違いだな……」
「ちぎるなら、せめて酢の物にしてくれ」
それも……なんか違う
(^^;;
(^^;;
ということで、寒菊がわんさか咲いています。
もちろん、千切らないで鑑賞するだけです。
来年もまた花を見せてねと契ることなら、咎められることはありません。(^^)
寒菊の片側だけの手が開く
That's Not Right by Utopia
てぃくる 1068 まだ暖かい [てぃくる]
てぃくる 1067 理不尽だ! [てぃくる]
てぃくる 1066 怒りで真っ赤に [てぃくる]
てぃくる 1065 多い、少ない [てぃくる]
「少ないよりは多い方がいい」
「そうか? 騒動や争いは少ない方がいいが」
「給料は多い方がいいだろ」
「税金は少ない方がいいよ」
「子供は多い方がいいだろ」
「児童虐待は少ない方がいい」
「友達は多い方がいいだろ」
「敵は少ない方がいいぞ」
「情報は多い方がいいだろ」
「誤報は少ない方がいいがな」
「長所は多い方がいいだろ」
「短所は少ない方がいいって」
「おまえはごちゃごちゃごちゃごちゃ屁理屈が多過ぎる!」
「あほう。何かが多けりゃ何かが少なくなる。多少ってのは表裏なんだよ。そいつに気づかないおまえは脳みそが少ないってこった」
(^^;;
山のように星がくっついているように見えますね。これは、カンレンボクの実。これだけ多くの実をつけると、辺り一面カンレンボクだらけになりそうなものですが、ほとんど芽生えてきません。まさに多少が表裏の関係になっているんだなあと、しみじみ思います。
竹箒に栞代わりに紅葉挟む
More Or Less by Screaming Trees
てぃくる 1064 遅いデビュー [てぃくる]
遅咲きだったね。
「仕方ないわ。それがあたしの運命だし」
ガードが固過ぎた?
「でも、あたしが未熟なうちは売れないもの」
それもそうか。じゃあ、枯れた今が一番油の乗った時期ということだね。
「もちろんよ。ギャラリーが放っとかないわ」
……。すごい自信だね。
「センパイたちが、みんな成功してるから。遅いデビューでも、ちゃんと実績があるのよ」
わかった、わかった。じゃあ、がんばって。
「ええ。あたしはただ待つだけ。それでいいのよ。ちょろいもんだわ」
と。やけに自慢げでしたが。
オガタマノキの果穂が落ちて、中から仮種皮で覆われた種子が顔を出しています。
決しておいしい果実ではないと思うんですが、鳥やタヌキたちには人気があるようで、瞬く間に無くなりますね。中の種子はいわゆるイシダネでとても硬く、動物に噛み砕かれることなく排泄され、運良く好立地を得られれば翌春発芽します。
思わず種子を蒔いてみたくなるんですが、オガタマノキはとても背が高くなるので、庭植えは避けた方がいいかと。
外来のカラタネオガタマくらいにしておきましょう。(^^;;
冬鳥が啄(ついば)む何かを探し歩く
Winter by Tori Amos