てぃくる 1013 雪のように白く [てぃくる]
「ただ白いのはいやなんだよ。雪のように白くなりたいんだ」
「ほう? 白いものは他にもいろいろあるのに。わざわざ雪か。何か理由があるのか?」
「白さを失うと同時に、色自体も失うだろ? その潔さが好きなんだ」
「そう見えるのはわかるが、実際は違う」
「え?」
「雪ってのはど真ん中に塵の核がある。それを起点に発達するんだよ。つまり融けても塵の色は残るのさ。ごく淡いから気づかないだけだ」
「知らなかった……」
「塵の色から解き放たれて白くなり、融ければ塵の色に戻る。自然でいいと思うがな」
満開のイボタの花は、どこまでも白く見える。まるで木に淡雪が降りかかったような白は、徐々にたくましくなる緑との対比がとても美しい。
だが雪とは違い、花が白く見えるのはほんのわずかな間だ。そのあとは茶色くくたれて見苦しくなる。だからと言って、他の色に咲くことはできない。
いいではないか。ほんのひとときであっても、雪の如く咲き乱れる様を誇るがいい。その時以外は、それがなんの木であるかさえ意識されないのだから。
台木のイボタが今年も咲き匂う
How Was It for You by Snowy White
初夏の朝に
おろしたての白いシャツの清々しさ
白って好いなぁ
by mitu (2023-05-22 05:40)
いたぼって聞いた木を句はあるのですが見た記憶ない。一時の白だから素敵なんですね。
by JUNKO (2023-05-23 16:03)
>mituさん
コメントありがとうございます。(^^)
日差しが強くなってきて、白が眩しく感じられる
ようになってきました。
輝かないのはわたしのどたまの白髪くらいです。(笑
by 水円 岳 (2023-05-24 23:39)
>JUNKOさん
コメントありがとうございます。(^^)
イボタは、ライラックの台木によく使われています。(^^)
イボタの方がずっと丈夫なので、継がれたライラックが
負けて消えることもあります。
あれー? ライラックだったはずなのになーという
場合は、イボタに取って代わられているかと。(^^;;
by 水円 岳 (2023-05-24 23:41)