てぃくる 1130 時と場合による [てぃくる]
今年はカメムシの当たり年だそうで、これからいろいろと悩まされそうですね。緑や茶色の五角形のやつらが、大きく、数も多く、臭いんですが。そうでない形のものもいっぱいうろついています。
こやつは、ハリカメムシ。
地味なカメムシなので、あまり着目されることはないかもしれません。イヌビエやメヒシバなどの葉や茎にぽてっと乗っかっていることが多いです。
そういう雑草の汁をちゅうちゅうするなら誰も文句を言わないと思うんですが。残念なことに、こやつらは稲の害虫。籾に口吻を突き刺してちゅうちゅうしてしまうので、被害を受けた籾は変色したり不稔になったり。ろくなことはありません。
もっとも、一番好きなごはんがイネというわけではないので、イヌビエやメヒシバがふんだんにあればそちらに移るようです。このカメムシたちの食草の有無とイネの生育状況に応じて、被害の程度が変化するということなのでしょう。
他の厄介なカメムシたちもそうで、果樹への被害は虫の発生量だけでなく、彼らが主食にしているごはんの多寡が大きく影響するようです。
ま。どちらにしてもクサいので、あまり関わりたくはないんですが……。(^^;;
麦茶は誰にでも飲めるが
麦酒は大人しか飲めない
A Case Of You by Joni Mitchell
てぃくる 1129 こころ [てぃくる]
昨今 こころない人が増えたと
嘆く 声が聞こえて
思わず 首を傾げてしまった
見えないこころの 有無を
どのように 判じるのだろう
自分のこころですら よく分からないのに
人のこころの有様など 知りようがない
あるか ないかくらいなら
いつかは 分かるようになるのだろうか
だが 今はまだ
こころある人だと 言ってほしくない
こころが どこにあるのか
探している 最中だから
山のようにこころ……というかハートが張り付いていますが。マメヅタです。
ツタとついていますが、本家ツタ類とは全く関係がありません。シダの仲間になります。倒木や立木、湿った岩や石垣などに茎を長く伸ばして、肉厚のハート型の葉をびっしり並べます。造形がとてもおもしろいので、わたしはよく撮るんですが……。彼らのハートを見るたびに、ふと思うんですよ。
こんな風に心が可視化されるのは、いいことなんだろうか、最悪なんだろうか……ってね。
心中を察することのできない人が
『心中お察しします』と書いて寄越す
Hidden Heart by Lux-Inspira
てぃくる 1128 厄介な星 [てぃくる]
「星は、希望の象徴だよね」
「一応はな」
「一応?」
「そう。全ての希望が叶うわけじゃない。叶いそうもないのにいつまでも手の届かないところでぺかぺか光られると、希望どころか絶望の象徴にもなりかねない」
「ずいぶんとひねくれてるのね」
「ひねくれてる? 冗談じゃない。何も叶えないくせにやたらと増えてぎらぎら光る星は、さっさと退場させないと実害が出る」
「……」
「黙ったってことは自覚があるんだろ? 退場してもらう」
テイカカズラ
初夏から夏にかけて、白い五弁花をたくさん咲かせます。花弁の先が曲がっているので、プロペラのように見えますね。清楚な印象で、清涼感のある香りもとても素晴らしいです。
英名はスタージャスミン。芳しい星型の花を讃えての命名でしょう。暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすいですし、斑入りや銅葉などの園芸品種も広く流通しています。
でもねー、手放しで賞賛できないのが、こやつ。とにかくお行儀が悪いんです。テイカカズラはつる性木本で、立木に張り付いて枝を出しながらこれでもかと茂ります。クズやフジなどに引けを取らない、グリーンモンスターなんですよ。
植木鉢やプランターなどに寄せ植え材料の一つとしてちんまり植わってる分にはいいんですけどね……。
しかもしかも。画像のような花を鑑賞するには、どうしても上に伸ばさなければなりません。グランドカバーとして地面を這わせている間は花が着かないんです。なので、どうしても地植えしたくなるんですが、くれぐれもご用心を。隙あらば世界を己で埋め尽くそうとする星たちですから、心してかからないとね。(^^;;
夏星や一つ二つと分かれ落つ
The Cliff by Jasmine Star
てぃくる 1127 無駄じゃない [てぃくる]
こんなところに綿を撒き散らして汚すなんてと怒られた。
綿が無駄だって。
でも、この腸が無駄だって言われたら、僕らは生きていけないよ。
だって、この綿は誰かを温めるためのものじゃない。
僕らの旅立ちを可能にする翼なのだから。
綿のように見えるのは、カロリナポプラの種子です。
綿の部分は大きいんですが、種子は塵のように小さく、とても種子には見えません。風に乗せて種子を遠くに飛ばすだけでなく、水面に落ちたあと水流に乗せて下流域へと種子を流す役割も担っているのでしょう。
小さな種子は乾くとすぐに失活し、水中ではうまく発芽できません。たくさんばらまく綿の数に比べ、条件のいいところに着地して発芽できる幸運な種子はほんの少しだけ。無数の綿は、決して無駄打ちではないんですよ。
青柳 水にも風にもさからはず
Aspen by Jamisen
てぃくる 1126 こぼすんじゃない! [てぃくる]
てぃくる 1125 不公平 [てぃくる]
てぃくる 1124 最低最悪の豚野郎 [てぃくる]
「いや、そこまで罵られるいわれはないと思うんだけど……」
確かに、群生するときれいなんですけどねえ。
こいつらの厄介さは、タンポポの比じゃないので。
ブタナ
花はタンポポによく似ていますが、茎が途中で枝分かれし、一つの茎に多数の花をつけます。大株になると一株で五十以上の花をつけることも珍しくありません。日当たりのいい芝地が大好きなので、芝生を管理されている方々には蛇蝎のごとく嫌われています。
タンポポほど根が深く張らないので抜去は難しくないんですが、なにせ数が多いのがなあ。種子の発芽率も高く、ちぎれた根片からも再生しますので、減らすのは至難の業。市街では、セイヨウタンポポより、こいつの方が多くなった印象が強いです。
強害雑草であっても、利用価値が高ければまだ可愛げがあるんですが。食用にはできるものの苦みが強く、喜んで口にするものではないですね。
豚が喜んで食べるので『豚菜』だそうで。
こいつを根絶するには豚を放し飼いするしかないのか……。
ぶひ。
若葉散る 恋も半端に終わりけり
Piggly Wiggly by Buddy Brown
てぃくる 1123 エゴ [てぃくる]
「俺たち、そんなにわがままかなあ」
「協調性はある方だよね」
「エゴの塊みたいな見方をされるのは納得行かんぞ!」
「かと言え、今から名前変えられるのはなあ」
「めんどくさいよね」
「しゃあない。エゴでいいや。ちょっとレゴとかロゴみたいなハイソ感あるし」
「それ、ハイソかあ?」
「エゴイズム、上等じゃん! ぶいぶい言わそうぜ!」
「エコツーリズムと勘違いされそう」
……と。全然話がまとまっていかないところは、確かにエゴかもしれません。(笑
でもね。エゴノキのエゴはエゴイズムのエゴじゃありません。えぐい(えごい)が転じてのエゴです。果皮にサポニンを大量に含むエゴノキの実は、毒流し漁などに使われていました。
えぐいのは果皮だけなので、硬い殻に守られている胚珠は鳥などが喜んで食べます。もっとも、釣り餌になる虫(ちしゃ虫 エゴヒゲナガゾウムシの幼虫)が入っていることが多いので、殻を割る労力に実入りが見合わないかもしれません。(^^;;
えごのきの花散り果てて雨の帷(とばり)
Departures 〜あなたにおくるアイの歌〜 by Egoist
えごのきの花散り果てて雨の帷(とばり)
Departures 〜あなたにおくるアイの歌〜 by Egoist
てぃくる 1122 パブかカフェか [てぃくる]
「俺は酔っ払うからパブだ」
「あたしは優雅にお茶を飲みたいからカフェよ」
のんべ派とおしゃれ派で意見が分かれているようですが。
ともあれ、オオカナメモチの花は虫たちに大人気です。
図体も態度もでかいのはハナムグリたちですね。行動がどうにも酔っ払いそのものに見えます。
蜂や蝿、虻などはどっかり居座って管を巻くというより、場所を転々と変えていきますので、おいしい店探しに勤しむマダムという感じ。
これだけ虫たちに人気があれば、さぞかし繁盛(結実)すると思うでしょ? これがねえ、ちっとも実にならないんです。大赤字もいいとこでしょう。
オオカナメモチのパブやカフェが閉店する頃には、季節はもう梅雨。それまでは、陽光眩しいテラス席でしっかり楽しむことにいたしましょう。
切り花に蜂迷いきて項垂れる
Buzzle Bee Ride by Cero