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ちょっといっぷく その170 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

三年生編の夏休み最後を飾る二話。
いかがでしたでしょうか?

受験生の夏休みですから、派手になんかなりようがありませ
ん。
まあ、いろいろあったけどこなした……そんな感じになって
います。

このあと再びお弁当休暇を頂戴しますので、さっくりと二話
を振り返っておこうと思います。


           −=*=−


第八十五話。

いっきとしゃらの進学先候補にはならないんですが、以前絡
みがあった来知大という大学のオープンキャンパスを見に行
きました。

二人は、大学生活ってのがどういうものか全く予想がつかな
いんですよ。
雰囲気を知りたくて行ったので、何も期待やプレッシャーが
ありません。お祭りですね。

でも、そこで以前ごたごたがあった時にいっきに謝罪に来た
奥村という大学職員とばったり再会して、思わぬ話をするこ
とになりました。

そう、恋愛論。(^m^)

いっきとしゃらは、過去の受難を共有したことがきっかけで
付き合いが始まり、そのあとずっと二人三脚を続けて互いを
支え合ってきました。
その姿は、外から見ると息がぴったりの熱々カップルに見え
るんです。

いやいや、そんなに甘くありませんよ。(^^;;

二人は、もちろん相手に好意を持っています。
だからこそずっと仲が続いています。
でも、本当の意味でラブラブというわけではないんです。

高校に入ってすぐに付き合い始め、生活を明確に分けずに
二人セットでずっと走り続けている間に、互いの存在が不可
分になってしまったんです。
共依存と愛情がきっちり区別出来なくなっている……それが
真実です。

だからこそ、これから進学先が割れるとどういう事態が起こ
るか分からない。
二人とも、たった半年先の見当が全く付きません。

奥村さんは、二人の関係を見透かして厳しいことを言ったわ
けではありません。
精神が未熟な者同士のカップルは続かないよという現実を、
トラブルシューティングが本務の大学職員として正直に話し
ただけ。
付き合いなんてカップルの数だけあるんだから、どうすれば
いいかは君らで考えなさい。それだけですよね。

しかし、この先厳しい試練が待ち構えているいっきたちに
とっては、決して軽い問いかけではありませんでした。

エピソードとしては小さいんですが、奥村さんの投げかけに
対していっきがどのような回答を示すのか……それがエン
ディングに向けた重要な柱になっていきます。


           −=*=−


第八十六話。

夏期講習の間に東京で偶然再会した、またいとこのさゆり
ちゃん。
再開時にすでにぐずぐずに腐っていたんですが、腐敗が進行
していましたね。

親への反発は思春期の少年少女によく見られることで、珍し
くもなんともありません。

でも、その反発の底があまりに浅かったこと。
本当は意志がどうしようもなく弱かったこと。
本人も親兄弟も、心があまりに幼くもろいことに音を上げて
しまったんです。

わたしは傷付いているんだから優しくしてほしい。
そういうさゆりちゃんの甘えを、どやすことも無視すること
もできずに、関係者一同どつぼってしまいました。

もちろんいっきも、それに対してはどうすることも出来ませ
ん。
自分や実生の昔話、自分ならどうするか、私情抜きにどうい
う選択肢があるか。それを淡々と並べることで精一杯です。

いっきはこれまでいろいろな友人の難題回避や再起を手伝っ
てきましたが、全力で自分のパワーをぶち込んだ相手はしゃ
らだけなんです。
それくらい、人の生き方に関わるということは本当に難しい
んですよ。深く関わるほど、その結果に責任を負わなければ
なりませんから。

いっきにとって、健ちゃんさゆりちゃんとの話し合いは、苦
い苦い時間だったんじゃないかと思います。

まあ……それでもまだ最悪ではありません。
いっきは、もっとシビアな状況をいっぱい見てますからね。


           −=*=−


さて。
冒頭でアナウンスさせていただいた通り、これからまたしば
らくてぃくるでしのぎます。

いくつか書き進めることができた時点で、八月残り分の数話
をお届けしたいんですが、今年中のアップにはならないかも
しれません。とほほ。(^^;;



ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/




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「きれいやろ」

「なんか、作りもんみたいやな」

「いや、ほんまに作りもんが混じっててん」

「うーん、どれやろ」

「おまいや」



  (^^;;



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