てぃくる 1093 いいかげん [てぃくる]
「おおーい」
「なんだー」
「もう咲いていいのかー?」
「いいんちゃうかー」
「どのくらい咲いていられるんだー?」
「好きなだけー」
「っても、萎れるだろー」
「次が咲けば問題なしー」
「じゃあ、満開がいつかわからんだろー」
「満開になって喜ぶ人はそうそうおらんと思うぞー」
「そっかー」
「そだー」
◇ ◇ ◇
いつの間にか咲いて。
いつの間にか盛りを過ぎる。
梅や桜が次々に咲き継ぐ頃には、蝋梅の木がどこにあったかすら定かでなくなる。甘く漂っていた芳香も、記憶には色をつけることができない。
蝋梅の花は、春を告げるにも春を染めるにも淡過ぎるのだろう。いいかげんがわからず、いいかげんにしか咲かない。まあ、それがいいかげんというものなのだろう。
蝋梅の咲き切ってなお二つ三つ
Early Spring by The Michael O'Neill Quartet
2024-02-09 00:00
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コメント(6)
蠟梅の花、お月様のような色と光
お日様ほど強くない和かな光
花びらは紙石鹸のような透明感
目立たぬように咲いている
そよそよと^^
by mitu (2024-02-09 07:43)
蝋梅はこちらでは咲かないので雰囲気がよくわかりません。
by JUNKO (2024-02-09 16:29)
>mituさん
コメントありがとうございます。(^^)
蝋梅の花は、とても不思議。
作り物のように見えて、ちゃんと花なんですよね。
淡い黄色には威圧感がなくて、上品。
とても好きな花です。
by 水円 岳 (2024-02-11 23:40)
>JUNKOさん
コメントありがとうございます。(^^)
その名の通り、まるで蝋細工のような不思議な花な
んです。たくさん咲いても、圧迫感がないっていう
か。
by 水円 岳 (2024-02-11 23:41)
本当に蝋細工みたいな花ですね。鼻を近づけると微かな香り、春を感じます。
by beny (2024-02-13 11:16)
>benyさん
コメントありがとうございます。(^^)
春を寿ぐ高貴な花だと思います。
香りも主張が穏やかなのに、記憶に残ります。(^^)
by 水円 岳 (2024-02-13 21:47)