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ちょっといっぷく その148 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

第50話から第52話まで、これからの波乱を予感させる要
素をたっぷり含んだ小ネタを三つ並べました。

次の大ネタに突入する前に、いっぷくしておいきたいと思い
ます。


           −=*=−

第50話。
いっきが、夏休み中の夏期講習をどうするか考える。
ただそれだけの話なんですが、見ての通りたっぷり波乱要因
が入ってますね。

まず、いっきの父親の養父の親族、工藤の方で何やらきな臭
い話が。ついでに母親の本国の親族絡みでえげつない話が出
ていましたが、そっちはお笑いだけです。

でも、工藤一族のお家騒動は、本来直接関係のないはずの
いっきにも波及しそうですね。またいとこの健ちゃん、さゆ
りちゃんの兄妹は、学年が全くいっき兄妹と同じなので、と
ても仲がよかったですから。

さらに、進路を考えるいっきの視点が家から離れつつあるこ
とに、妹の実生が強い不安を抱いています。
これも波乱要因。

そして夏期講習の間はしゃらとの密着度が下がりますから、
それも波乱要因。

どこもかしこも、ですね。(^^;;


第51話。
ここで、具体的に夏期講習の間のプランが動き出しました。
お寺に泊まり込んでの受講。当然、しゃらとは没交渉になら
ざるをえませんから、江平先生からいっきに強い警告が出ま
したね。そこらへんは、さすが女性の先生だなと思います。

当然しゃらも、いっきの不在期間をしのがないとならないわ
けで、自分の進路に意識を向けようと必死です。
いっきとしゃらそれぞれが自分の進路を前向きさに考える。
それだけ見れば、二人の意識が高くなったように見えるんで
すが……そんなに甘くはありません。

いっきは、いつまでたっても自分の将来像が見えてこないこ
とに焦りを感じていますし、しゃらはしゃらでいっきへの依
存構造を劇的に改善出来ていません。
お互いが、一番しんどい問題にまだ向き合い切っていないん
です。
そのズレが、これから波乱要因として表面化してきます。


そして第52話。
さっそく、ズレましたね。(^^;;

しゃらのお兄さんが御園家に持ち込んだとんでもない災厄
が、弓削さんという子連れの女の子のこと。

しゃらにとっては、お兄さんだけでなくその子も疫病神なん
ですよ。弓削さんにどんな事情があってもね。
でも、いっきは違います。五条さんの補助をするというのは
あくまで建前で、自力で何も出来ない弓削さんをなんとかし
てあげたい……そう入れ込んでしまうんです。

いじめを受けていた間、最後まで抵抗して意地を張り通した
しゃらと違って、いっきは結局何も出来ませんでした。
そして、その頃の無力な自分を心底嫌っています。

いじめに反発しないんじゃなくて、出来ないんだよ!
おまえら、何もわかってない!
そういう怨嗟を、まだたっぷり抱え込んでいるんです。
なので、どうしても弓削さんをかつての無力な自分と重ねて
見てしまいます。

いっきは弓削さんに同情は寄せても、恋愛対象として見るこ
とは決してありません。だって弓削さんは、いっきが見たく
ない弱い自分の姿そのものですから。
でも、しゃらにはいっきのアクションが理解出来ません。
なぜ関係ないはずの弓削さんに、そんなに入れ込むの?
どうしても……感情の波が立ってしまうんです。

そのズレが、弓削さんとの面談前にものっそ爆裂してしまい
ました。(^^;;

ただ……。
面談を通して、いっきだけでなくしゃらも弓削さんの異常性
をはっきり感じ取りました。
いっきが好意を寄せる対象には決してならないということ
を、自分の目で確かめられたんです。
だからこそ、二人のズレは大きなひび割れにはつながりませ
んでした。

まあ、面談は一回こっきりです。
それで済めばいいんですけどね……。


           −=*=−


この後、短いSSを一つお届けし、その後第53話と第54
話を続けてアップします。どちらもかなり長いです。
間に少し息抜きを挟みながら、一ヶ月ほどかけてアップする
予定。三年生編前半では、もっとも大きなヤマになります。

もちろん話の軸になるのは、いっきとしゃらが面談を行った
弓削さん。そして、久しぶりに森本先生が登場します。

前もって予告しておきますが、極めて重い内容です。
そして、二話の中で繰り広げられるやり取りの中に、ぜひみ
なさんご自身を置いてみていただきたいんです。

単なるフィクションとしてではなく、読み物の形を取った現
実問題として、しっかり内容を精査してくださるととても嬉
しいです。




ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/





ong.jpg



「せまいなー、誰かここを出ろよ」
「寒いからやだ」



(^^;;



オニノゲシの寸詰り。
寒さのせいで大きくはなれなくても、ずっと花を上げていま
す。

風邪のことを鬼の霍乱などといいますが、風邪すら引きそう
にない、タフなやつです。(^^;;

 


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コメント 4

JUNKO

みんなで身体寄せあって寒さをしのぐ、賢い知恵です。
by JUNKO (2017-03-20 13:23) 

水円 岳

>JUNKOさん

コメントありがとうございます。(^^)

暖かくなると、鬼が巨大化するようです。(^m^)
ほぼ一年中咲いていますから、本当にタフですね。(^^;;

by 水円 岳 (2017-03-21 00:28) 

風来鶏

棘があるから、鬼と名付けられたこの野芥子が不憫に思えます(^^;;
蓑虫も、清少納言に言わせれば"鬼の産んだ子"ですからね(ーー;)
by 風来鶏 (2017-03-28 21:59) 

水円 岳

>風来鶏さん

コメントありがとうございます。(^^)

どこも鬼じゃないのに、小鬼田平子なんてのもおりまする。(^^;;

by 水円 岳 (2017-03-28 23:57) 

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