夕日を浴びて残り少ないカンレンボクの実が赤く浮かび上がるほとんどの同胞は風で砕けて四方(よも)に散った春まで眠りにつくのだろう残った私たちは眠れないどれほど風に背を押されても頑なに居残っているこれから何が起こるのかをどうしても確かめたいからだひとたび地に落ちてしまえばあとは夢を見ることしかできなくなるのだだから氷雪に撃ち落とされるまではここに留まることにする夕日を浴びて赤く染まることにするその赤が私たちを暖めることはないと知っているけれど
枯野には地を叩く鳥ばかりゐる
Winter Trees Stand Sleeping by Dawda Jobarteh