てぃくる 1031 いいことばかりじゃない [てぃくる]
八重のクチナシは、花が大きくてとても見栄えがする。
香りも素晴らしい。
しかし。
一度盛りを過ぎると、朽ち花が大きいのでひどく汚らしくなる。
また結実することはない。
まあ、なんでもそうだと思うんですが。
世の中、欠点がなくていいこと尽くしなんてものはまずありません。
全てのものに長短はありますし、そう考えておいた方が長所を活かし短所に備えるという発想ができます。
八重のクチナシもそうで。
サイズもコンパクト。花が大きく見た目にインパクトがあり、暑さ寒さや乾燥にも耐える……といいことの方がずっと多いんですが。基本サイズが大きいことは、同時に短所にもなるんです。
姫クチナシであれば鉢植えで育てられますが、大八重クチナシでは難しいでしょう。鉢上げできても花数が限られてしまいます。また、それほど花期の長い花ではありませんから、図体のでかい緑の塊にベランダや狭い庭が占領されるのはちょっと。
なので、省スペースが求められる環境ではあまりメリットがありません。
長短同じくらいか短所が多いくらいの方が「手がかかるなあ」とぶつくさ言いながらも、世話をする楽しみを味わえるのかもしれません。
梔子や雨を纏ひて花おはる
Too Good For A Bad Thing by Sinead Harnett