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一年生編 あらすじ(5) [あらすじ]

一年生編 第百九話〜第百十八話 二学期後半編


 学園祭でのイベントという大きなヤマを越したいっきは、
しゃらを伴って、わだっちとじょいなーの入賞作を見に、巡
回展に出かける。二人は、その作品に込められた思いに圧倒
されたが、同時に中沢、校長、若槻がそれを複雑な感情で受
け止めていることを知る。

 プロジェクトの方のプランニングが停滞する中、息抜きで
寄った寿庵の新作おかず鯛焼きに喜ぶいっき。しかし、帰宅
したいっきの元を突然訪れた五葉南高校(ゴナン)の教師
菅野左門から、リョウの進学拒否の理由を探ってくれと頼ま
れる。中途半端に人の生き方をいじるなと言い捨てて拒否す
るいっき。それがもとで、母とも衝突する。
 翌日ホームセンターにバイトに出たいっきは、リョウに就
職の動機を聞き、菅野のことを愚痴る。なぜか反応する菊田。
なんと菅野は菊田が率いていた暴走族の副官だったという。
菅野の童顔と図太さに驚いたいっきは、帰宅後それを母に伝
えて諍いを収束させる。

 二年生が修学旅行の間に、いっきが移動中の片桐先輩と入
れ変わるという珍事が発生。しかし、誰もそれを信じなかっ
た。その後、初代校長の銅像が笑うという珍事も。片桐先輩
の怪しさ大爆発。

 プロジェクトの遅滞を気に病むいっきは、気晴らしにとしゃ
らに美術館デートを持ちかけるが、しゃらがなぜか渋る。五
条さんから用心しろという警告が出ていることを聞かされた
いっきは不安を募らせる。
 ローダンセ美術館に出かけた二人は、そこで景観をそのま
ま作品として見せるというコンセプトに驚愕し、感動する。
その景観を仲立ちしていたのは、天才庭師佐伯天有の遺作で
ある庭だった。美術館の館長兄妹(橘 行長穂積)と知り
合った二人は、占いに凝る穂積に警告される。危険が迫って
いるから充分に用心しろ、と。

 その四日後、嫌な予感を感じたいっきはぴんぴんに張り詰
めた状態で登校し、事務員に母親が事故にあったと呼び出さ
れて教室を飛び出したしゃらを追って引き止める。それはお
かしい、と。さらに、不調で時差登校してきた恩納先輩に搬
送先の病院が廃院になっていることを聞かされ、偽情報であ
ることを知る。
 首謀者をあぶり出すため、あえて不審者の気配の中に出て
行った彼らの前に姿を現したのは、前にしゃらを襲った市工
の生徒と、見知らぬやくざだった。刃物を出して迫る男たち。
その目的がしゃらの蹂躙であることを知った先輩は、全裸に
なって自分を抱けとやくざに迫る。その肩のあざを見たやく
ざは血相を変え、俺は死にたくないと叫んで逃げる。入れ替
わりでいっきたちの前に現れた五条とタカによって、首謀者
の前生徒会長高岡と男たちは鎮圧される。
 ほどなく、逃げ出したヤクザが轢死したことを知った先輩
は意識を失って倒れる。今後の対応を詰めるためにぽんいち
の校長とともに訪れた市工の校長(宇津木寿和)から市工ア
グリ部
の存在を知らされ、交流を持ちかけられる。

 事件のショックで錯乱状態になった先輩のレスキューのた
めに森本先生から呼び出されたいっきとしゃらは、そこで先
輩の壮絶な過去を知らされる。
 小学生の頃から母親の連れに無理やり犯され、嫉妬した母
親から家を追い出されて、ろくでもない男たちに体を提供す
ることでしか生きるすべがなかったこと……。しかも、その
相手がことごとく死んでいること。肩に彫られた死神の入れ
墨は、除去手術を受けても消えずに浮かんで来る、と。
 いっきは、肩の死神がそうさせているのではなく、先輩が
抱えている恨みが破滅願望となって、死ぬ運命の相手を呼び
寄せてしまっていると看破する。そして、今はちゃんと光に
目を向けているんだから、それを続ければいいと先輩を諭す。
 少し立ち直った先輩といっきたちのところに、尾花沢から
バイトの依頼が来る。個人宅の庭の手入れで、そこの住人の
話し相手をしてくれ、と。先輩は喜んで引受ける。

 翌日、いっきが先輩、みのんと出かけた先は、足の悪い老
婦人(小塚友代)が一人暮らししている家だった。先輩は持
ち前のバイタリティでおばあちゃんの話相手を務めるが、尾
花沢が研いだ秀峯が見せた自分の怨念の幻影に怯え、倒れる。
バイトが終わっても、独りきりの部屋に帰りたがらない先輩
に、おばあちゃんが同居を提案し、先輩はそれにすがりつく。
寂しい者同士の寄せ集め。でも、それが必要なこともあるん
だと納得するいっき。奇しくも、それはいっきの十六歳の誕
生日だった。

 数日後、下校しようとしたいっきとしゃらの元に、老人
高瀬公作)が現れて二人に謝罪する。その老人は死んだヤ
クザがいた組の老親分だった。老人宅に行くことになった二
人は、死んだヤクザがしゃらの兄の失踪にも関与していたこ
とを知らされ、愕然とする。しかししゃらは、えん罪の真実
を話せなかった兄は弱かったし、その兄の辛さも今は分かる
と言って、老人の謝罪を受け入れる。
 家を辞そうとしたいっきたちは、祖父を気遣う糸井と再会
して驚く。そして、一緒に夕食の食卓を囲むことにする。老
人の付き人のレン(中平 練)は、身寄りがなく、幼少時の怪
我が元で隻眼であり、顔に大きな傷を負っていた。いっきた
ちは、寡黙だけれど実直なレンの将来を、高瀬がひどく心配
していることを知る。



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