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一年生編 あらすじ(4) [あらすじ]

一年生編 第百話〜第百八話 学園祭編


 鉄のカーテンの中の秘境、聖メリアの学園祭に理事長招待
の形で乗り込んだいっきとしゃら。いっきたちは、見事に整
えられた庭園に感心するが、その手法を中庭には使えないと
話し合う。聖メリアの生徒会長天野や園芸部部長佐藤らにそ
の理由を聞かれ、校風や部のポリシーの違いによるものと説
明するいっき。全てを自分たちの力で切り拓いてきたいっき
たちのバイタリティに、聖メリアの面々は衝撃を受ける。
 ほとんど女の子と父母しかいない中で目立ちまくっていた
いっきだったが、同じ高校生として学園祭を楽しむ。そして
いっきたちを招いたしおんが、ステージで見事なアカペラを
披露したことをりんとともに心から喜ぶ。幸せになる権利を
使っているね、と。

 続いて市商の学園祭。こちらはバザー主体で、いっきたち
家族もしゃらもそれぞれ目標を定めて商戦に突入し、戦果を
得る。いっきが着目したのは園芸用品のブース。そこにいた
女の子(楠守ひびき)と商談し、値切って古い剪定鋏を買っ
たいっきは、それが楠守の祖父の遺品であることを知り、不
憫に思って会長と若槻を呼ぶ。すっ飛んできた二人は、ブー
スの中のものを全て買い占めてご満悦だった。
 しかし、いっきが買った剪定鋏を見た二人の顔色が変わる。
それは……刀匠弥富宗門がこの世に三本だけ残した逸品、
秀峯だった。そして、楠守の祖父が孤高の名庭師佐伯天有
あることを知って絶句する。
 学園祭を楽しんだいっきは、帰り際に市商華道部の生け終
えた花をもらおうとして秀峯を出し、それを見た若い女性教
師(糸井美郷)に声を掛けられる。糸井は、いっきがすみちゃ
んや長岡の立ち直りを手伝ったことに深謝するのであった。

 クラスイベントの調理の打ち合わせと実習、寿庵への菓子
の依頼。だんだんと、ぽんいちの学園祭に向けていっきの気
合いが高まって来る。
 しかしプロジェクトのイベントリハで、いっきたちは思わ
ぬ課題を突き付けられる。演出を手伝ってくれる演劇部副部
長の外山杏梨の厳しい指摘。想いを言葉にするなら、へなへ
なな声じゃ届かない。ちゃんとそれを見せる意識がないとだ
め。外山に実例を見せられたいっきたちは、短期集中のボイ
トレと演出の見直しを余儀なくされる。
 主催者でありながら、取り組みが甘かったことを苦にして
落ち込むいっき。しかし、そのどさくさに隣家の鈴木さんが
緊急出産で病院に担ぎ込まれ、残された鈴木さんの長男の世
話をするはめになった。いっきは、子守りを手伝ってくれた
リョウの意外な一面を知る。

 そして。ぽんいちの学園祭が開幕した。初日のステージで、
プロジェクトメンバーのじん白井 仁)率いる1Gが披露し
た見事な無言劇を通じて、言葉のもろさ、頼りなさを突き付
けられたいっきは、屋上で自分に想いが伝えられるかどうか
悩むが、自分なりに表現するしかないと開き直る。

 二日目。1Cの主催したバル『ゴセモス』は大盛況。演し
物も料理も高い評価を受けた。かっちんたちのバンド、ラー
クスもその実力を出し切って喝采を受け、見事にデビュー戦
を飾った。
 学園祭が終わりの気配を漂わせる頃。いっきたちは、プロ
ジェクトのイベントに臨む。これまで活動に関わってくれた
大勢の関係者が見守る中、一番想いを伝えたいぽんいちの生
徒たちに向けて、いっきたちは持てる力を全て出し切って朗
読と演奏に集中した。そして、最後にいっきが思いの丈を振
り絞って訴える。中庭を見て下さい。そこに何が必要かを教
えてください、と。いっきは自分の未完の詩を朗読し、それ
が完結するように庭に関わる決意を改めて表明する。プロジェ
クトメンバー全員による挨拶で、舞い上がり彷徨する鳳凰。
いっきは、少しは中庭に元気をあげられただろうかと自問する。
 イベントが終わって、中庭はいつもの静かなたたずまいに
戻った。残っていたいっきは、後夜祭に誘いにきたしゃらを
座らせ、これまでの協力に感謝するとともに初めてのキスを
かわした。出歯亀満載の中で。それは……たこ焼き味だった。

 学園祭後のクラスの打ち上げで、料理を全品売り切った1
Cの模擬店が思いがけない多額の収益を上げたことが報告さ
れる。しのやんの提案で、その収益は宇戸野から借り受けて
いるエクステリアの購入代金として学校に寄贈されることに
なった。いっきはスポンサーの発言力が一番強いと言った母
の忠告を実感する。