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一年生編 あらすじ(2) [あらすじ]

一年生編 第五十九話〜第八十二話 夏休み編


 夏休み序盤。寂れた花屋のおばあさん(指月喜代子)に話
しかけられたいっきは、指月の孫(田代智美)の出産立ち会
いの間、そこを借り受けて花屋をすることになった。早速
しゃらとクラブ員であるみのんことマイアー稔、美術部員の
じょいなーこと立野敦記と組んで、準備を始める。
 そこへ、花屋の隣にある和菓子屋寿庵の臨時店員として、
しゃらのかつての仇敵長岡がぐだぐだの状態で五条に引っ張
られて来た。謝罪どころか自分の殻に閉じこもるだけの長岡
に対して、被害者感情を爆発させるしゃら。いっきはみのん
たちに、ここで膿みを出さないとしゃらは前へ進めないと訴
える。
 花農家のゆずぽんこと佐々木譲、和菓子屋寿庵中村信太郎
と組んだいっきたちの店は、じょいなーの描いた似顔絵を付
けるというアイデアが当たって大繁盛になる。
 中村に三日間預けられた長岡は、そのしごきをこなして、
お菓子を作る楽しさに目覚める。同時に自分の壊したものへ
の恐れを感じて、初めて生の感情が出る。花屋の終了後、長
岡は指月宅への住み込みを直訴し、指月にそれを認められて
号泣する。
 すみちゃんたち市商の班に花屋をバトンタッチした後、バ
イト代として大金を手にしたいっきだが、指月の孫への厳し
い姿勢に触れ、成功した嬉しさよりも商売の怖さを痛感する
のであった。

 突如割り込んできたしゃらを加えて、家族で軽井沢に避暑
に出かけたいっきたち。そこで、いっきはけじめをつけるた
めにしゃらに初めて自分の想いを伝える。好きだよと、はっ
きりと。これまでいっきの気持ちを掴み切れずに不安の中で
過ごして来たしゃらは、舞い上がってキスを要求するが、
いっきはやんわりと拒否。ぶんむくれるしゃら。
 翌日機嫌を直したしゃらと出かける寸前、いっきの妹の
実生(みお)が散歩中に野球のボールを頭にぶつけられて卒倒。
実生を背負って連れて来た中学生の松本康太郎と実生が、お
互いを意識しながらもうまく意思表示できない状態になる。
 帰宅前日に実生のところを再訪した松本に、母が娘の複雑
な性格をゲームであぶり出させ、見せつける。それでもいい
のか、と。
 どこかもやもやを残したままで、いっきたちは帰宅するこ
とになった。

 軽井沢から戻って早々に、熱射病で実生が倒れる。どたば
たの最中に尾花沢がいっきのところを訪ね、台風で中庭の木
が倒れる恐れがあると警告を出す。
 気になったいっきが、中庭への人の出入りを止めようと用
務員とロープを張った後、中庭に人影を認めてうろたえる。
それはプロジェクト唯一の上級生片桐みえりだった。いっき
からロープを張ったことを聞かされた片桐は顔色を失う。そ
の直後に、いっきは何者かに襲われる。必死にロープを外し
たいっきは、中庭の曰くがただならないことを初めて思い知る。
 中庭の木が倒れれば最後の抑えが失われると焦る片桐は、
邪念の実体化を防ぐためにいっきと二人で必死に依り代となっ
ているボタンを探して庭から出し、仮の結界を張って一時的
に庭を封鎖した。

 台風の通過後、中庭の木は全部倒れていて、抑えの機能は
完全に失われていた。苦悶する片桐に尾花沢が示したのは、
鳥居の束石。片桐はそれを中庭の八方位に埋めて気を鎮め、
モニュメントの下に埋められていた宇戸野の髪を出して、そ
こに守り神(鳳凰)を降臨させた。安心したいっきに片桐が、
鳳凰には邪を祓う力はないと警告する。結界を張るのに使わ
れた銀貨が暴れた邪念によってくちゃくちゃになっているの
を見たいっきは、それをお守り代わりにすることを決める。
 中庭の物音を聞き付けてやってきた中沢に引き連れられて、
その家にやってきた片桐は、両親の怨念が降り注ぐその家か
ら早く出るようにと中沢に強く警告する。
 その翌日、いっきは会長としゃらに物の怪騒動のてん末を
報告した。縮み上がる二人。

 お盆。母方の祖母の墓参で、思いがけず祖父の縁者がいっ
きたちの前に現れ、母が恨んでいた祖父の事情が初めて明ら
かにされる。母は行き場のない想いに泣き崩れた。
 一方で、父が養子で誰とも血縁がないにも関わらず、それ
を未だ頓着しない養父母の親族の暖かさに、いっきたちは血
の繋がりの意味を考える。

 お盆開け。いよいよ中庭での作業が始まる。下地を作る作
業の後にはレイアウトを考えなければいけない。いっきたち
は尾花沢に早速宿題を負わされる。
 植え付け直後に中庭の世話に出かけたいっきは、そこで犬
を追いかけていた一人の少女に出会う。彼女はいっきに聞く。
「楽しい?」

 中沢は片桐の助言を受けて、かんちゃんが住んでいる理髪
店とは目と鼻の距離にあるアパートに転居する。引っ越しの
お礼といっきを呼んだ中沢は、夏風邪を引いたかんちゃんも
呼んで食事の世話をする。いっきは生徒とかんちゃんを区別
しない中沢の粗雑な態度に呆れるが、しゃらはその裏を鋭く
見抜く。惹かれていても、お互いの闇の深さに踏み込めない
んじゃないか、と。
 ほどなく、中沢の旧宅が全焼した。

 親が交際を反対している中学生カップル(長崎大介加賀
野広海
)がいっきにアドバイスを求めに来る。高校を目指す
目標を自力で立てるよう説くいっき。同じ日、実生ははるば
る訪ねてきた松本くんと、初々しい付き合いをスタートさせる。

 夏休みも残り少なくなり、叔父にあたるリック・マクブラ
イト
と伯母にあたる万谷巴の訪問があったり、しゃらと二人
でプールに出かけたり、模試を受けたり、タカ主催の大ロッ
クパーティーに出かけたりと、いっきは充実した日々を過ご
した。
 プロジェクトの方も主要な関係者が会長宅に集まって、今
後の方針が話し合われ、骨格が固まる。その席で、片桐が会
長に予言する。十月になればきっといいことがありますよ、と。

 



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