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一年生編 あらすじ(1) [あらすじ]

一年生編 第一話〜第五十八話 一学期編


 父親の転職を機に田貫市の新居に引っ越してきたいっき
工藤樹生は、通い始めた高校(田貫第一高校 ぽんいち)
で、かっちんこと中塚勝広なっつこと井本夏乃と意気投合
して友達になり、幸先のいい高校生活のスタートを切る。
 いっきは膝の怪我で部活の選択肢がないことを逆手に取っ
て、高校の荒れ果てた中庭再生をオリジナルの部活にするこ
とを思い付き、その第一歩として隣家の園芸通のおばさん、
会長こと波斗聡子の発案で園芸愛好会グリーンフィンガーズ
クラブ
を結成する。
 同時に、中庭で生物教師の“猫拾い”中沢瑞宝と、いっき
と同じように中学で壮絶ないじめを受けていたしゃらこと
御園沙良と出会い、いっきとしゃらはよっこ先輩元西与子
とともに、潰れた生物部の仕事を手伝わされるはめになる。
しゃらは、中学時代の悪夢に捕われず未来指向のいっきに好
意を抱く。

 街中で、怪我をしながらもしゃらの中学時代のいじめ加害
者を撃退し、しゃらを助けたいっき。そのフォローに訪れた
担任教師の大野や中沢は、いっきの心の傷がまだ癒えてない
ことを垣間見る。
 その後、偶然に駅前で山形時代の合気道の師範(八内兵衛
と再会したいっきは、中学のクラスメートだった兵衛の孫娘
あっきーこと八内亜希が、いっきの怪我を苦にして合気道か
ら離れていることを知る。直後、再度いっきとしゃらを襲っ
た因縁の相手を師範が軽く撃退し、それに深く感動したしゃ
らが合気道を始めると言い出す。
 しゃらの指導を師範から押し付けられた婦警の五条千咲は、
二人を呼び出してそれぞれに警告を発する。しゃらには合気
道を習うことを人に漏らすな、いっきには生の感情をちゃん
と出せ、と。その帰り道、しゃらはいっきに想いを告白。そ
れを受けて、二人はトモダチから付き合いをスタートさせる。
そして、しゃらもクラブメンバーになる。

 ゴールデンウイーク。山形から来襲した元気いっぱいの
あっきーに手を焼くいっきだったが、いっきの怪我を気に病
むあっきーの心の傷の荒療治のため、五条とともにあえて厳
しい組み手をあっきーに挑み、見事に過去の呪縛を解く。そ
の後、ピクニックや野外コンサートのイベントを介して友達
を増やしたいっきたちは、わいわいと賑やかに過ごす。
 こどもの日に会長宅を訪ねたいっき、しゃら、あっきーは、
会長からそれぞれの心の弱さを指摘される。そして、会長の
娘(波斗一帆)が五年前、十五歳で自殺していることを知る。
 連休最終日。いっきにぎごちない告白を試みるあっきー。
だがいっきは、まだ人恋しさの中から抜けられない、トモダ
チを作るだけで精一杯だとそれをはねのける。まだチャンス
はあると言い残して、あっきーは笑顔で山形に帰った。

 連休明け、しゃらの最後の拠り所だった祖母が病死し、しゃ
らに生活の危機が迫った。いっきとかっちん、なっつ、りん
市東 倫)といった友人たちは、葬儀に駆けつけてしゃらの
心を支えるとともに、奔走してしゃらの家庭再生の道を探る。
いっきたちは、アル中で自立支援施設に入所していたしゃら
の父親の理髪店再開の決心を引き出し、五条や会長のサポー
トもあってしゃらは危機を乗り切る。
 生活を安定させるためにバイトを探したしゃらと、それに
便乗するいっき。そのバイトを介して、造園業の尾花沢利明
ホームセンターの菊田宏子、花農家の榎木苑江らと知り合い、
真剣に仕事に向き合うことの厳しさを知り、また貴重な人脈
を得る。
 両親が理髪店を再開したしゃらの状況が落ち着いたので、
いっきは中庭復興の具体策を考え始める。そのいっきに、校
長(安楽忠治)から課題が課せられる。組織して中庭に手を
入れ、そのノウハウを残せ、権限を不法に握っている事務長
保岡 壮)を自力で説得しろと。

 中央公園に初デートに出かけたいっきとしゃらは、そこで
この前しゃらを襲ったグループにいたすみちゃんこと住田美緒
に出会った。
 住田は自分が無理やりグループに引きずり込まれたこと、
しゃらいじめの最先鋒だった長岡令奈が、しゃらの襲撃に失
敗した責任を負わされて付き合っていた男の兄に暴行され、
重傷を負った上に親から見放されていると語る。しゃらは、
中学時代のクラスメートとの関係修復に踏み出し、すみちゃ
んとむーちゃん室井ほのか)にそれを持ちかける。

 体育祭の鈍足リレーメンバーから卑屈な出場依頼を持ちか
けられたいっきは、それを断るとともに逆にショーアップを
提案する。それが奏を功して、いっきのいる1Cは落伍者を
出さずに学年優勝を勝ち取った。
 アイデアマンとしてのいっきの能力に気付いたクラスメー
トたちは、いっきに対する見方を変えていく。ほぼ時を同じ
くして、いっきは初めて携帯を手に入れる。

 その後、白紙事件を介して友達に自分としゃらの過去を明
かしたいっきは、合コンを企画してしゃらとその中学の同級
生との仲直りを橋渡しし、一気に友達を増やした。それを通
じてかっちんとりんはギタリストのすみちゃんとボーカルの
ちっか千賀千香)を引き入れ、軽音部でロックバンドを立
ち上げる。

 バイト帰りに尾花沢に中庭を見てもらったいっきは、そこ
に曰くがあることを指摘される。専門家の見立ての重要性を
覚ったいっきは会長にも庭を見てもらい、母の発見もあって
かつての中庭施工者の宇戸野一呼を探り当てる。
 校史の冊子から、十二年前の中庭施工時の美しい中庭が一
年も保たず、近年は完全に放置されていることを知って愕然
とするいっき。
 校長の課題をクリアするため友人たちに声を掛けたいっき
は、中庭復興のためのプロジェクト立ち上げを提案し、中庭
に心を植え心をつなぐという目標を立てて、ハートガーデン
プロジェクト
を発足させる。
 さらに施工者の宇戸野を訪ねたいっきらは、見かけを整備
しただけでは中庭が救えないことを痛感する。

 作家志望の友達、しのやんこと篠崎正晴に事務長の説得材
料探しを依頼していたいっきは、七年前に中庭で生徒が死亡
するけんかがあり、それに保岡が出くわしていたことを知ら
され、覚悟を決めて保岡との一対一対決に臨む。一生後悔を
引きずって生きるのかと迫るいっきに保岡が折れ、中庭の管
理権を生徒側に取り戻す。
 機は熟した。いっきたちは代表者を選んで校長と事務長と
の交渉に望み、プロジェクトによる中庭の整備を正式に認め
られる。

 期末試験前、幽霊生物部の解散宴会と称して中沢の家に呼
ばれたいっきとしゃらは、中沢と五条の壮絶な過去を知らさ
れる。実の親に保険金目当てで殺されかけた中沢。親からネ
グレクトされ、猛烈にグレたあげくケンカに負けて強姦され
た五条。そして死を望む二人を、大野が自宅で妻とともに献
身的にケアしたこと……。中沢はいっきに、傷はどんなに時
間がたっても塞がらない、それと向き合うしかないと諭す。

 試験が明けて、突然家に押しかけたリハビリフレンドの
しおんこと久我詩織のアタックを、同情と好意は違うと拒絶
したいっき。会長は、失意のしおんの前で自殺した娘を引き
合いに出し、生きている限り誰でも幸せになる権利がある、
でもそれは使わないと取り上げられる、と諭す。
 同じ日、従業員を募集しようとしたしゃらの一家に、五条
から殺人罪で服役している受刑者の雇用打診があった。恋人
を殺され、その犯人に復讐したという事情を聞いてうなだれ
るしゃらたち。
 出所後、付き添いの刑事とともにしゃらの家を訪ねたかん
ちゃん
こと桧口 完は、しゃらの父親に自らもまだ立ち直る途
上だ、一緒にがんばろうと励まされ、その温情に触れて涙を
流す。
 かんちゃんの生活物資確保のためにかっちんのところへ出
向いた一同はそのまま宴会に引きずり込まれ、かっちんの兄
であるタカこと中塚孝広のスケールの大きさに驚かされる。

 一方、プロジェクトの広報でポスターを掲示したいっきた
ちに生徒会からクレームが付き、しゃらが生徒会室で生徒会
長の高岡に襲われるという事件になった。いっきは高岡を撃
退したが、副会長の木崎、書記の大村にプロジェクトの甘さ
を指摘され、対策案を示される。いっきたちは、その真摯な
姿勢に圧倒される。

 夏休み直前。タカのおおらかさに惹かれた五条の恋煩いが
深刻化し、関係者全員で五条の尻を叩いて本人の前で告白さ
せた。オーケーを出したタカとのカップルが誕生する。また、
その時に中沢がかんちゃんと出会う。

 しゃらは、美術部員のわだっちこと和田六月の彫塑のモデ
ルを引き受け、付き添ったいっきに心が見えないことを訴え
る。また、お互いの部屋への行き来を通じて、いっきに友達
より深い繋がりを求めるようになっていく。



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