てぃくる 1099 虎は死して皮を残す [てぃくる]
「虎は死して皮を残す、か。でも現実にはありえんよな」
「腐って跡形もなくなるよ。普通は」
「つーことはなんだ。皮を剥がれて、なめされて、敷物にされたから残るっつーことだよな」
「それを残るとは言わねえよ
「じゃあ、俺たちの方が偉いってことだな」
「え? 俺たちだって腐って消えるけど?」
「いや、ちゃんと残るんだよ」
「なにが?」
ガラス
ススキだけでなく、イネ科の植物にはケイ素を溜め込んで構造を強化するものが多いんです。わたしたちが食べているお米。そう、イネもそうなんですよ。ケイ素が足らないと植物体が軟弱になるので、環境によってはケイ素肥料を与えたりします。
植物体内のケイ素はプラントオパールというガラスのような物質になることが多く、ガラス様物質ですから簡単には風化しません。つまり、ススキのようなイネ科植物が群落を作っていたという歴史が土の中のプラントオパールでわかるということなんですね。
プラントオパールは植物種によって独自の形状を示すので、生えていた植物の種構成推定にも役立つようです。
ちなみに。ススキにもたっぷりケイ素が入っていますので、枯れているからと油断すると手が切れます。(^^;;
ススキは枯れてガラスを残す……なんですよね。
割れ硝子の下には春が早く来る
ブルーグラス by 美波