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てぃくる 1150 黒はさすがに暑いやろ [てぃくる]


 真夏に黒服は暑いと思うんですけどねえ……。
 そんなことも言っていられないようで。
 でっかいクマバチが、蜜集めのため千日紅の花の間を忙しそうに行き来していました。ただ……。

 どっかおかしいですよねえ。



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 そう。
 クマバチなら真っ黒けではないんです。胸に黄色い毛がふさふさ生えていて、それがトレードマークですから。じゃあ、こいつは?

 こやつ、侵入種ですね。タイワンタケクマバチ
 全身真っ黒けで、羽の色も濃いので、日本在来のクマバチ(キムネクマバチ)とは容易に区別がつきます。

 本家クマバチは木材に穴を開けて巣を作るんですが、タイワンタケクマバチは、枯れた竹の稈(かん)に穴を開けて巣作りします。最近分布が拡大しているようですので、庭に篠竹系の竹を植えられている方は、枯れ桿に穴を開けられていないかよく確認してください。竹箒がやられることもあるようで、注意喚起が出てます。
 ちなみに、単独営巣する種なので向こうから人を襲うことはまずないと思います。羽音がでかいんで、びびりますけどね。(^^;;





  虫の世界でもインバウンドがブームだ






Dressed In Black by Depeche Mode



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てぃくる 1149 金さえあれば [てぃくる]


「世の中、金さえあればどんなにうまいもんでも食える」
「それはわかるが。俺たちが金やったらどうすりゃええんや」
「う……」
「まあ、めんどいことは考えんと一杯やろう」
「せやせや……って、あんた誰や。俺たちみたいな金持ちやなさそうやな。ど貧乏人が」
「金ないやつはどぶでもさらっとれ」
「てか、俺たちも金持ってないで」
「だから俺たちが金やて」

 ……以下、延々と不毛なループが続く。(笑



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 ナラガシワの樹液を舐めに金ぴかのハナムグリたちが大集合していました。シロテンハナムグリかなあ。今は花がうんと少ないので、樹液頼みですね。
 彼らの横でおこぼれちょうだいを狙っているのはゴマダラチョウ。樹液大好きですが、樹液にありつけない時には、腐った果実や獣のウンチをちゅうちゅうすることも。ちなみに人間の汗も大好きで、猛暑の時にはうるさくつきまとったりします。
# 血ぃ吸うわけじゃないからいいけどさ。(^^;;





  今は金持ちほどカネを持っていない






Easy Money by Rickie Lee Jones



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てぃくる 1148 紅白 [てぃくる]


 紅白のどちらが強いということではない。
 紅も白も単なる色にすぎないのだ。
 色が違うから識別しやすいだけであり、どちらかの色が尊いとか優れているということにはならない。


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 おっさん、おっさん
 騎馬戦で鉢巻獲られたからって、強がりこくでねえ


(^^;;






 園芸種の始原を辿れば、原種は有色花の方が多いかと。
 白い花は地味なので、形が面白いとか花が大きいとかでないとなかなか評価されません。
 しかし、有色花を品種改良していく間に色素を欠いた白花の品種が生み出されるのは面白いなあと思います。色に飽くんでしょうかねえ。

 白花はインパクトという点では物足りないものの、面を埋めても圧迫感がないので地合いを作りやすいという長所があります。
 ビンカ(ニチニチソウ)の花も、紅白取り混ぜると不思議に白い花の方が浮かんで見えるんですよね……。




  日々新たに紅と白とが咲き競う





Red And White by Leo Kottke




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てぃくる 1147 重い [てぃくる]


「ねえ、あんた」
「なんだ?」

「重いから降りてよ」
「ずっと食い続けてるおまえの体重の方がよほど重いぞ」

「余計なお世話よ。わたしはこれから出産を控えてるんだから、食べないとなんないの」
「それ以上に食ってるように見えるんだが……」

「降りてから言って。重いって」
「子種を残さないとならない俺の責任も重いんだぜ」

「別にあんたのじゃなくてもいいんだけど。いいからどけて。重い」
「……」



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 このあとどうなったのかは確かめておりません。(笑
 ごまだら模様のゴマダラカミキリが、ごまだら模様のセンダンの幹をがじがじかじってごまだら模様にしておりました。

 センダンはあちこちから芽吹いてきてすぐでかくなる厄介な木なので、なんぼかじっていただいてもかまいません。大事な木はかじらないでね。
 ゴマダラカミキリは街中でもよく見られるありふれたカミキリで食害する樹木の種類が非常に多く、立木の中を食い荒らすので、街路樹や果樹にとって厄介な害虫です。
 ちなみに。こいつよりずっと厄介な外来のツヤハダゴマダラカミキリというのが増えているそうです。被害が大きいので見つけ次第補殺してください。「世界の侵略的外来種ワースト100」に選出されているそうです。(^^;;





  夏バテなのに なぜ体重が増えるんだ!






Heavy by Delta Goodrem




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てぃくる 1146 梅雨明け [てぃくる]


「明けましたな」
「ええ。明けました」


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「暑うなりますな」
「もう十分暑いですわ」



 焼き落とされた梅雨雲の灰が吹き去られ、代わりに夏雲がもくもく湧くかと思いきや。夏雲までもが蒸発してしまい、青一色だ。仕方がない。私がしばし夏雲の代わりを務めよう。

 ……と言っているのかどうかはわかりませんが。
 白いさるすべりの花がどっさり咲きこぼれています。
 あぢー……。





  夏雲にかけるシラップを夢想する






Summer Clouds by How Great Were The Robins



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てぃくる 1145 ぼーっとする [てぃくる]


 ああ、なんかぼーっと写っとるやろ?
 撮ってるおっさんがぼーっとしとるねん。


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 まあ、ここんとこずうっと曇り空やからな。
 薄暗くなるさかい、ピンが迷って甘くなるのは仕方ないと思うで。カメラも相当ご老体みたいやし。

 それにしてん、花ぁないなあ。ごっつ腹減ったわ。
 もっとぱりっと晴れてほしいねんけど、晴れたら晴れたで暑うてかなん。俺ぇ暑いのめっちゃ嫌いやねん。もうすでに頭がぼーっとしとるわ。

◇ ◇ ◇

 都市部でもよーく見かけるようになったツマグロヒョウモンですが、花ではなくワラビの葉の上に乗って、ぼーっとしていました。
 おい、そこの上に乗ってたって、わらび餅にはなれへんで。(笑





 涼しければ快適
  暑ければ不快だが
   いずれにせよぼーっとすることになる






Out Of Mind by Mike Oldfield



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てぃくる 1144 皿 [てぃくる]


真っ白い皿に
おいしいものをいっぱい盛って
どうぞって勧めようとしたんだ

でも
皿を用意したとたんに
乗せられる料理が何もないことに
気づいてしまった

仕方ないから
ぼくが皿の上にずっと立っている

どうぞ食べてくださいとは
言えないけどね



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 鬱蒼としたシラカシの森。
 暗い林床にぽつりと白い皿が置かれています。
 皿? いや、ヒビワレシロハツというきのこです。
 広葉樹林でよく見かけるシロハツと違い、傘の展開に伴って傘のふちが裂けてきます。まさにひび割れ、ですね。

 シイやカシの暗い森に比較的早くから発生し、真っ白なのでとても目立ちます。傘がじょうご型なので雨水が少したまっていたりしますが、基本的にはお皿は空っぽ。足元で見かけるたびに何を乗せようかと夢想はするものの、ほんの数日で朽ちて跡形もなくなってしまいます。


◇ ◇ ◇


 モンスターカスタマー、カスタマーハラスメントという言葉を聞よく聞くようになりました。「お客様は神様です」という顧客第一主義を逆手にとって、どこまでも図に乗って理不尽な要求や謝罪を繰り返す輩と行為のことですね。

 サービス(奉仕)に対する考え方には人によって大きな差異があります。わたしは、謝罪や誠意という顧客への姿勢も商品対価の中にすでに含まれていると考えています。無償奉仕じゃ儲けが出ませんから、スマイルゼロ円なんてことは現実には絶対にないんです。そこを勘違いしている人がすごく多いような。
 ねえ、自分が店員だったら一円にもならない客の要求に応えられる? 偉そうに要求を突きつける人は、そんな原始的な自己確認すらできないほど奉仕観が腐っているのでしょう。

 わたしは、欲しいものがあったら自分で皿に乗せます。誰かに過剰な奉仕をさせるつもりはありませんし、わたしの皿のものを無償提供しろと強要されるのもお断り。受けるのも与えるのも気持ちよく行いたいじゃないですか。だって最初は誰の皿も空ですし、最後は誰の皿も空になるのですから。





  空蝉を白磁の皿に乗せてみる






Best of Friends by Linda Thompson



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てぃくる 1143 見分けがつかない [てぃくる]


「おい、どうした? そんなところで立ち止まって」
「いや、俺、見つかりたくないから草のふりしてたんだけどさ」

「うむ。擬態というやつだな。で?」
「どこからどこまでが俺だったかな。自分でもわからなくなった」



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 羽があるのでトビナナフシの仲間かな?
 実際のところ、静止しているナナフシは本当に見つけにくいです。サイズがでかいのに動きがとろいので鳥の餌食になりやすいのかなと思っていたんですが、動くものを見つけるのが得意な鳥の目にはナナフシが映らないのかもしれません。

 ゆたゆたと揺れるようにゆっくり動くナナフシは愛嬌があるものの、実はものすごい大食漢。たくさんたかられると、連中がばりばり葉を食む音が聞こえることもあるそうな。かなり強い食害を受けることがありますのでご用心を。(^m^)





  七節(ななふし)と指の曲がりを比べけり






Almost The Same by Curtis Walsh



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てぃくる 1142 暑くてぼーっとしちゃう [てぃくる]


「おい、本当にここであってるのか?」
「泉なんかどこにも湧いてないぞ」
「蜃気楼だったのかも」
「暑くて意識がぼーっとしてきた」
「気のせいか、俺らもぼーっとしてるような……」




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 いや、ぼーっとなってるのはわたしの腕前が悪いからですが。(笑

 カナブンが大挙してナラガシワの樹液にたかっていました。
 見る限り潤沢に湧き出ている感じではないので、場所取りの争いは熾烈。ここにクワガタやらオオスズメバチやらも飛び込んできますので、涼みながら喉を潤すなんてことはできそうもありません。
 自由自在にちゅうちゅうできるのは、わたしの血を吸う蚊だけですね。ああ、かゆい。ぼりぼりぼりぼり。





  かなぶんの羽音低く淀みけり






Too Hot by The Specials




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てぃくる 1141 歳を取る [てぃくる]


どういう歳の取り方がいいかなんか
ちっともわからないよ

何かしてもしなくても
ひとりでに歳を取るからね



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 還暦を過ぎると、誕生日があまり嬉しくなくなりますね。
 だからと言って即身仏になるわけにもいかないので。
 のんべんだらりとその日をやり過ごすことにしますわ。

 ちゅうことで。
 一年草扱いのペンタスが無事に冬越えし、わたしと一緒に歳を取ってくれたことを喜びながら。血糖値を上げないゼロカロリー寒天ゼリーをケーキ代わりにぱくついています。(笑




  本人がおめでたいので
   めでたい日をすっかり忘れてゐた






Happy Birthday by Voca People



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