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ちょっといっぷく その168 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

五月の初めから三ヶ月弱お弁当休暇を頂戴しましたが、全然
お弁当が作れていません。えへん!

いや、いばったところでしょうがないんですが。(^^;;

このままてぃくるざんまいにしてしまうのは不本意なので、
少しだけ本編を進めます。


           −=*=−


再開は第八十一話からということになりますが、それまでの
流れを少しだけさらっておきます。

夏休みに入ってすぐに予備校の夏期講習に参加し、そこで進
路の方針を固めたいっき。
学力向上よりも、ぐらついたままどうしても定まらなかった
進学方針を決める契機になったことが大きかったですね。

慎重な上に頑固ないっきですから、決めるまでの迷いが深く
なるのは必然。
でも、そこを抜けられればいっきの忍耐力や行動力が活きま
す。

いっきにとっては間違いなく上げ潮なんですが、例によって
予想外の事態が次々に発生。(^^;;

またいとこのさゆりちゃんと偶然再会したことは、まだいい
んですよ。
さゆりちゃんに何があったところで、親や兄貴の健ちゃんが
サポートしますから。
いっきは、積極関与を考えなくて済みます。

でも大伯父勘助の死去は、いっきにとってあまりにダメージ
がでかかった。

いっきの両親は堅実かつ誠実ですが、キャパはそれほど大き
くないんです。
父親はとても優しいですが、最前線に立ってぐいぐい引っ張
るタイプではありません。
母親は明るくポジティブ思考ですが、その一方で感情の起伏
がとても激しく、決して安定したどっしり型ではありません。

そして。
いっきは両親を尊敬していますが、絶対的に信頼する、頼り
切るってことができません。
両親が自分以上に厳しい試練を乗り越えてきたのをよく知っ
ていますから、どうしても引け目を感じてしまうんです。
僕の悩みなんか、親に比べたら大したことないよなって。

そういういっきと親との意識差は、いっきの中学時代の黒歴
史に濃い影を落としていました。
親からすれば、子供なんだから有事には素直に親を頼ってく
れよと言いたかったでしょう。
でもいっきは、結局一人で全部抱え込んでしまいました。
実生にも同じ傾向が見られますね。

親子間に必要以上に遠慮が入ること。
それが、工藤家における最大にして最悪の欠点なんです。

親との距離感をうまく調整できなかったいっきですが、親の
代わりに心の防波堤になってくれていたのが大伯父の勘助で
した。
おおらかで、トラブルに動じず、子や孫たちの力を信じて自
立を辛抱強く見守る。
いっきにとっては、父親の理想像みたいな位置付けだったん
ですよね。

その大伯父が突然死去したことで、いっきは精神的な拠り所
を失い、強い不安と喪失感にさいなまされます。

でも、いっきはもう小さな子供ではありません。
すでに巣立ち寸前なんですよ。

勘助が埋めてくれていた欠損部分を、自力でどう埋めるか。
いっきは、勘助を奪い去った死神に挑むようにして、自分を
取り巻く困難に立ち向かうことを決意します。

大事な人を失った傷は、すぐには癒えません。
でも、傷が癒えるのを待っている時間がない。
心から鮮血を流しながら。それでもいっきは動き出します。

これからの数話は、喪失に立ち向かういっきの奮闘を見てい
ただこうと思います。


           −=*=−


ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/




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「マスカットに化けたら、えれえ目にあったわ」

「どうなったん?」

「こんな臭いマスカットがあるかって怒鳴られて」

「うん」

「残りを全部食わされた」

「共食いか……」

「臭くてかなわん」



 (^^;;




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