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ちょっといっぷく その165 [付記]


いつもお読みいただき、ありがとうございます。

お弁当休暇中ですが、あまり進んでいません。(^^;;
まあ、いつものことですね。

締め切りがある作業ではないので、書ける時に一気にががっ
と書くことにします。


           −=*=−


人間、呼吸をしないと生きていけません。
吸って吐いて、吸って吐いて、その繰り返しですね。

本小説の執筆に取り掛かったのは、もう十年前になります。
書き始めて今に至るまでは、徹底的に吐くプロセスでした。

頭の中にあるいっきやその周辺人物の生き様を、これでもか
と吐き出して形にする。
それを十年にわたってずっと続けてきたんです。

私の脳内の風景が、薄れたり消えたりしたわけではありませ
ん。

でも、ずっと吐き出し続けてきたことによる勤続疲労が、じ
りと文章を侵しているように感じるんです。

本小説におけるわたしの執筆スタイルは、平易な言葉の積み
重ねで情景と心象を見せる……です。
特別感性や知能が飛び抜けているわけではない高校生のいっ
きが、大文豪のような表現をするはずがないからです。
いっきの一人語りで地合いの文章がありませんから、なおさ
らなんですよ。

でも、いっきへの密着度が上がれば上がるほど、思考や行動
の表現に既視感が増えて、息苦しさを覚えるようになってし
まうんです。

一度息を止め吐き出すプロセスを中断して、しっかり息を吸
い込みたい。
なので、今いただいているお弁当休暇はかなり長くなるかも
しれません。


           −=*=−


ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/





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濡れたくても濡れることができない

乾きたくても乾くことができない

渡された水の意味を

手のひらの中の珠にして

しばし考える



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ちょっといっぷく その164 [付記]

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

予備校での夏期講習を終えて、無事に自宅に戻ったいっき。
そこからお盆までの四話をまとめてお届けしました。

このあと、例によってお弁当作りのお休みを頂戴いたしま
す。その前に、お盆までの分を総括しておこうと思います。


           −=*=−


第七十七話。
夏期講習を終えたいっきが、見知らぬ女の子につかまりまし
た。でも、色っぽい話にはなりませんでしたね。

一、二年の時なら別展開があったかもしれませんが、自分の
進路のことで頭がいっぱいのいっきには、余計なことに気を
散らす余裕がないんです。
雑談は交わしましたが、あっさりそれきりでした。

女の子の方に、酌むべき事情がないわけではありません。
これまでのいっきならそこにもっと突っ込んだかもしれませ
んが、アンテナの感度をあえて下げています。

環境が変わっても、自分の現在位置を常に確かめる。
いっきの意識のぶれが、徐々に一定範囲に収まるようになっ
てきました。


第七十八話。
家に戻って早々に、いっきが宣言をぶちかましました。
まず家族に、そして恋人であるしゃらに。

何かを決断することに、ものすごくエネルギーが要るいっ
き。
宣言は、まだ残っている迷いや戸惑いを振り払うための儀式
です。

決意が固まったから宣言するんじゃなく、宣言することで退
路を断つ。
ものすごくおっかないやり方なんですが、いっきにはそうす
る必要があったのでしょう。

柔軟で、いろいろなことを卒なくこなせる……そういう風に
見られがちないっきですが、本当はそんなに器用じゃないん
ですよ。
宣言は、自分の本音をきちんと見せるという意味でも欠かせ
なかったんです。


           −=*=−


第七十九話。
コンパクトなお話でしたが、いっきが合宿の時より少し自分
のポジションを下げたところをご覧いただきました。

重光さんや高橋先生のように甘えや弛みを徹底してどやし倒
す人に気圧され、その上自ら発した宣言で安全地帯をうんと
狭めてしまったいっき。
ちょっと息が詰まっていたんですよね。

行長さんとやり取りしている間に、少しだけ息抜きができま
した。

そして、動向を気にしていたさゆりんのその後を健ちゃんに
聞かされ、将来することと今しなければならないことのバラ
ンスを考えます。

今を全部犠牲にして、未来に全てを注ぎ込むのはおかしい。
いっきの考え方は、決して逃げではありません。
その時その時に、なすべきことをしよう。
だって、いっきはそうできるのですから。


そして第八十話。
お盆にまたいとこたちが集まって、いつものような楽しい交
流になると思いきや、彼らの口から出てくるのはどうにも冴
えない話ばかり。
でもいっきは、そういう時期もあると達観します。

自分も妹も地獄を抜けた。
ネガの中に居続けない限り、どこかで状況が好転する。
愚痴を聞いてくれた上で、大丈夫、なんとかなるよと励まし
てもらえた健ちゃんや滝乃ちゃんは、本当にほっとしたで
しょう。

そして。
いっきと家族の祈りも空しく。
いっきの一家にとって精神的な支えであり続けた、大叔父の
勘助が亡くなりました。

いっきは死別を覚悟していたと思います。
それでも、悲しい別れがいっきの心に残した傷跡は決して浅
くありません。

勘助おじさんが、ずっと変わらずに注いでくれた慈愛を改め
て思い起こし。
それに応え切れなかった後悔、そして勘助が遺した温かい言
葉に突き動かされるようにして、いっきは『今できること』
から顔を背けず、走り回ることになります。


           −=*=−


さて。
このあと夏休み後半編になるんですが、お弁当が底をつきま
した。

そろそろゴールが見えてくるのでさくさく進めたいのは山々
なんですが、例によってしばらく本編を停止します。
またてぃくるといっぷくでしばらく間をもたせますが、ご容
赦ください。


ご意見、ご感想、お気づきの点などございましたら、気軽に
コメントしてくださいませ。

でわでわ。(^^)/




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「忘れないで欲しいから、こんなにどっさり」

「あまりに多すぎて、すぐに忘れそうだよ」



(^^;;




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