てぃくる 1186 嫌われ者が黄金になる [てぃくる]
誰であっても、最初から嫌われたいと望んでいるわけではない。出自なり生い立ちなりが性格形成に干渉して、嫌われ者になってしまうことが多い。そして。全ての嫌われ者が嫌われ続けることを是としているわけではないのだ。むしろその逆であろう。愛してほしい、理解してほしい、受け入れてほしいと強く望んでいるのに、差し出せば届くはずの手は誰にも届かず、逆にどんどん遠ざかる。最後まで隣に留まっているのは、孤独という名の始末に追えない餓鬼だけだ。
嫌われたくないという願望と嫌われているという現実がかけ離れている人間と異なり、他の生物には嫌われることを生き延びる術にしているものが多い。棘を備えたり、悪臭を放ったり、毒を帯びたり。それらを歓迎する者は極めて少ない。しかし、彼らが生涯嫌われ続けるとは限らない。
そこに生きて残り続けることと子孫を新天地に導くことは、時として背反する。それゆえ、嫌われ続けた者が突如として美の化身へと変身することもあるのだ。

ヘクソカズラの果実。まさに黄金の雫です。
完熟すると悪臭が薄くなり、実をついばむ鳥も現れるのでしょう。美味しくないと思うんですが、冬の間に少しずつ消費されていきます。
つやつやの粒は乾かしても劣化しにくいので、リースの材料にも使われます。我々もまた、彼らが臭い臭い嫌われ者であったことをすっかり忘れるのです。
時として嫌われても、時として好かれる。そんなのがいいなあと思うものの、なかなか思うようにはいきませんね。それが、動かしにくい感情に縛られる人間のもっとも厄介なところなのかもしれません。
朝陽を受けて輝く黄金の露は儚い
Dewdrop Cherryoak by Arborist
これがヘクソカズラの実ですか。始めてみました。きれいですね。
by JUNKO (2024-11-23 17:18)
>JUNKOさん
コメントありがとうございます。(^^)
枯れて黄金色になったものがリースやスワッグ
の材料にされるんですが、元気に茂っている緑色の
時には臭いので嫌われます。
人間て、現金なものだなあと。(^^;;
by 水円 岳 (2024-11-28 23:50)