てぃくる 1157 夏の裏側 [てぃくる]
「夏の裏側ってのを知ってるかい?」
冬じゃないのか?
「冬ってのは対極。反対側だろ。距離がある。裏ってのは背腹そのものだ。同じものの両面」
ああ、確かにそうだな。裏側……ねえ。
「夏が明るく、暑く、眩く、きらびやかだと思ってる連中は、裏が見えていない」
なるほど。夏はその正反対の要素も兼ね備えているってことか。
「そりゃそうだろ。曇れば暗い。高地は涼しい。日陰はどんよりしていて。夏枯れなんざ地味そのものだ」
じゃあ、夏の裏を誰も見ていないってことだな。
「ああ。そいつを見ちまうと、夏がくすむ。見たくないから、意識から追い出してる」
逆のやつもいそうだな。
「もちろんだよ。夏なんざくたばっちまえと思っている連中は、ずっと夏の裏側にいる。そこから出てこないのさ」
(ダキバアレチハナガサ)
入道雲には見た目ほどの重さはない
The Other Side by Michael Marcagi
何事も両面を見るのは難しいことです。
by JUNKO (2024-08-24 20:13)
>JUNKOさん
コメントありがとうございます。(^^)
表裏一体とは言いながら、背中合わせのものは
見えないんですよね……。
by 水円 岳 (2024-08-27 23:43)