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てぃくる 622 黄金の喪失 [てぃくる]



 樹木がいっぱいに抱えていた黄金が、徐々に失われてきた。




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 黄金がなければ生きていけないわけではないが、黄金がいくらかあればそれなりに豊かに暮らせる。

 黄金をたくさん抱え込むと、その重みで身動きが取れなくなり、かと言って全て手放すと身を満たすものが得られなくなる。

 ちょうどいい黄金の量ってのが黄金比ってやつかね。見上げた大樹にそう聞いてみる。もちろん、樹が応えてくれるはずもなく、ひらひらと黄金のかけらを手渡してくれるだけ。

 それはただの黄金色の葉であり、わたしの食物や衣服に化けてくれるわけではない。しかし。わたし以外の小さな生き物にとっては、大切な食物や衣服。その上、黄金が満たしてくれない心の隙間を、ちゃんと黄金色に染めてくれる。

 ああ、ありがとう。
 わたしの黄金の量はこれくらいでいいよ。これ以上もらっても、結局は全部返さないとならないからね。

 徐々に地肌を見せ始めた大樹がなおも黄金を手渡そうとするのを、背にかさかさと感じながら。

 冬ざれた参道を、後ろ手にひた歩く。






  石仏や枯葉に埋もれ眠るやう







Golden Leaves by Passenger



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JUNKO

この位の感じが実にいいです。
by JUNKO (2019-12-14 18:32) 

水円 岳

>JUNKOさん

コメントありがとうございます。(^^)

今はすっかり地面に落ちてしまいましたが、その分地面が
黄金色です。(^^)


by 水円 岳 (2019-12-16 13:47) 

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