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三年生編 第93話(6) [小説]

「うっそおおおおおっ!」

「いや、いろいろあってね」

思わず渋ぅい顔になっちゃう。

「僕は風紀委員会なんか要らないって主張してたし、校長
にも逆効果だって言い続けてたんだけどさ」

「出来ちゃったんすか」

「学校が決めることだからね。ノーとは言えない。でも、
学校側に好き勝手に使われたら、めちゃくちゃだよ」

「あ、それで」

「そう。委員長だからああしろこうしろはないよ。絶対そ
れはやりたくない。僕が言いたかったのは一つだけ」

「……」

「学校側はやるったらやる。だからみんなしっかり自衛し
て。それだけなの」

「そうっすよね……」

「それがさあ。一番学校側の監視が厳しいうちのプロジェ
クトから補導者が出ちゃうなんてさあ。もう、がっくりも
いいとこだよ」

後野さんは少しだけ溜飲が下がったんだろう。
剥き出しにしていた闘気を少し引っ込めた。

「そいつ、どうなったんすか?」

「学校側の処分は三日間の停学。でも、プロジェクトとし
てはそれじゃ済まされないよ」

「退部?」

「もし二、三年生なら速攻で叩き出すよ。でも、一年坊で
しょ? 顧問の先生からがっつり説教。それと二週間の部
員資格、部活参加停止あーんど反省文提出」

「がっちり絞ったんすね」

「まあね。それが嫌なら止めればいい。うちは出入りがゆ
るゆるだもん」

「ああ、そうか」

「幸い飲酒や喫煙に絡まなかったから、一番軽い処分で済
んだけどさ。勘弁して欲しいわ」

「ふう……」

「後野さんとこの方が大変でしょ?」

「そうっす。俺も宇津木先生もまるっきり予想してなかっ
たんで、ごっつパニクって」

うわ……。

「でも、なかったことには出来ないっす」

「退部?」

「いえ、除名です」

「最高刑だね」

「うちは学校の部費だけじゃなくって外の予算も取りに
行ってるから、今回みたいのは本当にヤバいんすよ」

「そっか……」

「そいつが信用なくすだけならいいっすけど、アグリ部全
体の評価落とすことになったら、先輩たちに顔向け出来な
いっす」

「分かる。分かるなー」

鬼の形相になった後野さんが、サンドバッグに強烈なミド
ルを見舞った。

ずしいいいいん!

「くそったれえっ!!」

本当だったら、とっ捕まえて直接ぼこりたいところなんだ
ろなあ。でも、さすがにそれは……ね。


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