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二年生編 あらすじ(3) [あらすじ]

二年生編 第四十六話〜第六十四話 一学期後半編



 模試の勉強中に偏頭痛を発症したいっきは、家族との会話
を通じて自分と家族の今後を漠然と考え始める。いつまでも、
このままではいられないのだということを……。
 そして模試の帰り、久しぶりにトレマホームセンターに顔
を出したいっきは、元気に働くリョウ菊田の顔を見てほっ
とする。しかしリョウが、菊田の指導が続かなくなることを
不安に感じていることに気付く。保証されていない未来への
不安を隣人の鈴木信香やあっきーからも感じ取り、考え込ん
でしまういっき。

 模試が不出来で浮かない顔のいっきとは対照的に、きっしー
しのやんのペアがボーリングの大会で準優勝し、盛り上が
る。その一方で、バイト先の館長が上下の退路を作って、館
から追い出しにかかっているのを知って、いっきは強い危機
感を持つ。あやふやなまま、ずるずる行くのはヤバい、と。

 雨の一日。図書委員の当番でたまたま片桐先輩とペアを組
んだいっきは、中庭の鎮護が不充分であること、その不吉な
縁起がただならないものであることを片桐から知らされる。
 その翌日、野点の協力を仰いだ加賀野の母親のところにお
礼に出向いたいっき、しゃら、しのやんと茶華道部部長の
は、お土産の和菓子を仕入れに立ち寄った寿庵で、店主中
村の腕前としたたかな宣伝戦略を改めて印象付けられた。さ
らに加賀野の母親に娘の交際が破綻したことを知らされ、親
子関係の難しさを愚痴られる。

 一学期の期末試験が近付く中、いっきは自分に欠けている
ものと将来への不安が大きくなってきたことに悩み始める。
寿庵でのやり取りを通して、自分が関わって変わって行く現
状の中に自分も入って行かないと……と考え込むいっき。

 そして。期末試験直前。佐倉の怪我による欠席を斉藤が告
げ、続けてロングホームルームをキャンセルするアナウンス
があった。勘のいいいっきは、そこに事件性を読み取る。
 案の定、いっきが帰宅した後に五条が訪ねて来て佐倉への
サポートが依頼された。渋々腰を上げるいっき。いっきは、
病室で佐倉の天交への恋情を見抜き、リハビリを急ぐようア
ドバイスする。

 試験週間前の休日。試験直前対策をりんに打診されたいっ
きは、気合い注入のためにリョウに臨時コーチを依頼する。
その厳しいコーチングに絶句するいっきたち。でも、それを
通じてみんなのリョウに対する見方が変わった。

 その翌日、最後の追い込みに余念がなかったいっきの家に
父親と衝突して行き場を失った天交が突然転がり込んで来る。
絶句するいっき。とりあえず試験が終わるまでは家で預かる
ことにし、五条に親子での話合いの仲介を依頼する。
 試験直前、佐倉の事件のことで斉藤に呼び出されて詰問を
受けたいっきは、詳細は知らないと突き放すとともに、父親
と衝突した天交が自宅に避難していることを継げ、斉藤を絶
句させた。

 そして期末試験が始まった。いきなり厳しくなった試験問
題を見て、いっきは学校サイドの隠された意図を見抜く。厳
しくなった試験にげんなりするしゃらに、これからはずっと
そうだと釘を刺すいっき。そして、天交もその予想を支持し
た。

 期末試験終了後、すぐに天交の親子面談が組まれ、仲介に
当たった五条が天交に厳しく指摘した。棋士より医師を目指
す強固な理由がないと父親を説得出来ないよ、と。
 そして面談。息子を前にしてぶち切れる父親に対し、五条
が釘を刺す。子供を独立させることと放り出すことは違う、
そして暴力は犯罪だと諭す。しかし憤然と席を立った父親を
見て、五条は頭を抱える。
 面談から帰ってきたいっきは佐倉が退院したことを聞いて
驚くが、その後天交に佐倉に好意を寄せていることを知らさ
れてぶっこける。天交に佐倉の見舞いに行きたいと打診され、
慌てて佐倉に確認を取るいっき。佐倉はいっき同伴での見舞
いを受け入れるが、いっきはそこで佐倉が事件を隠さずオー
プンにするのではないかと危惧する。

 翌日、天交を伴って佐倉の見舞いに出かけたいっきは、うっ
かりしゃらがバイトしている洋菓子店タルボットで菓子を仕
入れてしまい、応対に出たしゃらに女の影を勘付かれる。
 佐倉の家へ出向いたいっきと天交は、佐倉がジャーナリス
トを目指す動機を聞き、そのストレートさに驚く。だが、そ
の後見舞いに来た理由を天交に問い詰める佐倉に対し、天交
が突然の告白。事件のことでそれに素直に喜べない佐倉は、
二人の前で何があったかを洗いざらい吐き出した。
 夜繁華街で男たちに囲まれ、連れ込まれたアパートの一室
で一晩中性的暴行を受けた挙げ句、左足を叩き折られたこと
を涙ながらに話す佐倉。だが、天交の好意は全く揺るがなかっ
た。それは僕がゆいちゃんが好きなことと関係ないと言い切
る天交に、佐倉の喜びが爆発する。
 カップル誕生の喜びよりも、事件の背景を気にするいっき。
そして、帰宅したいっきを待っていたのは、しゃらの容赦な
い詰問だった。

 ひどくなり始めたしゃらの嫉妬癖に辟易しながらも、いっ
きはバイト先の博物館に獣医志望のクラスメート、毛利を誘
う。高校生にも手を抜かず、きちんと獣医の実情を説明して
くれる館長釘谷の姿勢に感心するいっき。
 だが、その後毛利の容姿をあげつらい、いっきの仕分け中
のサンプルに菓子を放り込んだ校倉に釘谷が激しい体罰を加
えた。いっきと毛利はその苛烈さに絶句する。そして、校倉
が釘谷の孫娘であることを知る。

 期末試験の後で行われた面談で、斉藤から沢渡校長の試験
制度変更の狙いをリークされたいっきは、クラスに戻ってそ
れをオープンにし、先行きの厳しさを予想する。
 その足で博物館のバイトに行ったいっきは、バイトの元締
めの上下が館長の釘谷に追い出されることを知って驚く。
 実家を飛び出してからジプシー生活を送っていた天交にも
変化の時が来た。ガンとの闘病中の天交の母親が、死を見据
えて息子に自立を急ぐように宣言する。言葉を失う天交とそ
の父。

 試験が終わって骨休めしたいいっきとしゃらは、いっきの
従妹であるジェニーの来日スケジュールを確認した後、県博
で行われていたボタニカルアート展を見物に行くが、そこで
学芸員の神村に厳しい言葉をぶつけられる。生き方を重ねる
のは難しい。時間に侵されない心を見つけるのはそんなに甘
いもんじゃないよ……と。恋人を事故で亡くした神村の指摘
にショックを受ける二人。

 天交の家族会議の推移を気にしたいっきは、五条に電話で
成り行きを確かめる。五条は逆に、佐倉の事件後の経過を心
配し、その現況をいっきから聞き出そうとした。天交との交
際が始まったことを知って驚く五条だったが、あとは二人の
問題だと言って、いっきを安心させる。
 その日の夜、プロジェクトの重鎮の、みのんことマイアー
の両親が切り盛りする寿司屋に出かけたいっきとしゃらは、
安くておいしいお寿司をお腹いっぱい食べて喜ぶ。

 夏休み直前、厳しくなったことが知れ渡った試験制度変更
の重圧がプロジェクトメンバーやクラスメートにのしかかり、
学内の雰囲気が陰うつになったことを気にするいっき。
 放課後博物館のバイトに出かけたいっきは、新しい元締め
田崎が幕間つなぎのピンチヒッターに過ぎないことを知っ
て拍子抜けする。

 そして終業式。校長の口から明かされた試験制度変更の趣
旨の厳しさは、いっきたちの想像を絶するものだった。校長
は高らかに宣言した。私は君たちの自主独立を試す、と。
追試と処分がセットになった制度変更の詳細を斉藤から聞い
て、速攻で追試対策に乗り出すいっきたち。
 いっきは、校長の仕掛けが思わぬ余波を生むことを予感し、
その影響を危惧するのだった。







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